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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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2. Sentimental Journey -23

 平松が立ち上がる。悦子の頭を撫でながら腰を進めてくる。亀頭が目の前に近づいてきた。
「……何?」
 意図はわかっているが、分からないフリをして平松を睨んで見上げる。
「昨日、してもらうの忘れた」
「……忘れたままでいいじゃん」
「してよ」
「やだよ、朝っぱらから。何だと思ってんのよ」
 目の前で色白で緩んだ腹と脚の肉の間から、最大まで漲った男茎が漲っていた。浮かんだ怒張に跳ね動いている。尖端からは透明の液が溢れてドレッサー上のライトで照らされている。
「してよ、我慢できない」
 都合よく性楽の道具に使われるのは面白くない。女に対する侮辱だ。だが目の前で、視界の殆どを覆っている男茎を見ていると、昨日たっぷり愛された幸福が蘇ってきて、ラブホテルを出たら横浜に着くまで対峙することはできないと思うと、今触れておきたいと思えてきた。
「……さ、さっさと終わらせるよ?」
 性欲に盛り上がっている時に何を口走ったかもう憶えていないが、色々淫猥な言葉を吐いただろう。だが今はさっきまで化粧をしていた素の気分だった。すぐに平松のそれに触れたいなどと言うのは、本当に淫乱に成り果てたようで二の足を踏む。仕方がない体を装って、平松の男茎を握ると自分の方へ倒した。尖端が自分の方へ向く。その頂点の小さな穴に向かっておずおずと唇を近づけていくと、音を立てて吸い付いてから、傘の周りに舌を巡らせた。フェラチオをしている顔はきっと不細工な顔になっていると思うから見下されていると恥しくなる。今週悦子の部屋で初めて奉仕をしたばかりなので要領がまだよくわからない。ただ舌先で男茎を探索していると、握っている幹が震えるポイントがいくつかあるのがわかった。そこへ吸い付いたり、より強く舌を押し付けて擽るとより多くの透明な汁が溢れてきた。
「しょっぱい……」
 決して良い味ではない。その漏らす主が好きな男でなければとても耐えられるものではない味だ。つまり嫌悪に顔を背けて奉仕を止めないということは、平松が本当に好きになったのだと自分で感心した。感慨が悦子を急かして、より顔が歪むとは分かっているが、これまで舐めるだけだったのを初めて口を開いて大きな亀頭を口の中に導き入れた。すると平松が感動の呻きを漏らす。その声が愛しくて、歯が当たらないように気をつけながら頬を窄めて中で舌をまとわりつかせていく。唾液が一気に口内に溜まってきて口から零れそうになるのを呑み込みながら、悦子は頭を揺らして平松を愛した。興奮した平松が悦子の頭の動きに合わせて腰を前に進めると、喉元の奥まで亀頭が及んできて苦しくなった。
「んっぶっ……」
 息が苦しくなって悦子は慌てて顔を離し、顎から糸を垂らしながら平松を睨みつけた。「苦しいよっ」
「悦子のオクチ、すっごく気持ちいいんだもん」
 平松が握ったままの悦子の手を上から握りこんで扱かせる。自分の唾液に滑る男茎がくちゅくちゅと音を立てると、それを聴いて更に淫情が催された。
「出していい?」
「……どこに?」
「顔」
 そう言うと思った。
「……あんた、私が化粧してたの見てなかったの?」
「悦子の顔に出すの好きになったんだもん」
「だもん、じゃないっっ!」
 悦子は平松の太ももを強く叩いた。痛い、と呻く平松を尻目に立ち上がると、ベッドの方へ早足で歩いて行き、枕元にあったコンドームの綴りを振り返りざまに平松に投げつけた。「自分だけ気持ちよくなるつもりっ!?」
 睨みつけているが瞳を潤ませている悦子を見ていた平松は、ゆっくりと足元のコンドームを拾うと一つの封を切り、悦子の口で漲った男茎へ被せていく。その様子を見ていると、睨んだままの悦子の鼓動が早くなっていった。
「……ごめんね。悦子も気持ちよくする」
 そうだよ。やっと分かったか。悦子は壁に掛かっている時計をチラリと見た。セックスをする。シャワーをもう一度浴びる。化粧と髪を整える。こりゃチェックアウトには間に合わないな、と延長料金を覚悟した。場合によっては一回では終わらないかもしれない。いや、一回では絶対に終わらない。平松の男茎を初めて頬張った時の感覚がまだ口内に残っていて、平松のせいではなく、自分が止まらなくなってきっと一度では終わらないのだ。
 平松がベッドの方へ近づいてきた。昨日自分がシーツの上に放った聖水が乾いて黄ばんだ染みを拡げているのをチラリと見て、悦子は平松に導かれるままにまたその上に押し倒されて抱かれるのだと思っていた。平松が悦子を抱き寄せる。先にキスか、それもまあいいね、と思いながら肩に手を添えて首を傾げて顔を近づけようとすると、そのまま身を翻させられて後ろから抱きしめられた。
「ん? 何?」
「こっち」
 平松に後ろから押されて、さっきまで居たドレッサーの方へ押されていく。
「やっ……、ベッドでしようよ」
「ここでしたい」
 ドレッサーの前に立たされると、首から下の二人の体が映る。鏡の前に手をついてされるなんて恥ずかしくってかなわない。だが心のどこかで、ドレッサーに手を付かされて後ろから平松に犯される自分を想像して期待に沸いている自分がいた。


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