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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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2. Sentimental Journey -18

 今まで何度も平松の前に肌身を晒したし、脚の間を触られ、キスもされ、指を受け入れて愛しまれた。だが改めて来いと言われて、それに従って彼の前で脚を開くのはとてつもなく恥ずかしかった。赤らんだ頬を隠すように鼻を啜って手の甲で隠している悦子へ、
「やめる?」
 平松が、できないなら仕方ない、とでも言いたげな顔で悦子に言い放った。
「やだっ……。する」
 平松の言葉を契機とするかのように、悦子はヒップをズラして平松の真正面にくると、閉じて立てていた膝をささやかに開いた。
「もっと」
「んっ……」
 後ろ手に手をついて、瞼を強く閉じてM字にまで開いていく。十分平松が顔を入れて来れるだけの幅は開いていた。だがその時を待っているのに、下腹には一向に麗おしい感触がやってこない。こうしていう間にも、ストッキング越しにはまれた時に食い込んだショーツの向こうで、その場所はピクンと戦慄きながら待っているのに。
「もっと」
「開いたよっ」
「だめ。もっと開かなきゃ、舐めてあげないよ?」
「……っ」
「開けるとこまでいっぱいに開いて」
 調子に乗るな、と冗談を含ませながらじゃれあうことはできない度合いまで事は進んでいた。悦子は踵を左右にずらしていくと、股関節の限界まで長い脚を広げた。
「……ね、寝転んでいい?」
「……、そうしようかと思ったけど、今の悦子のカッコ、すごくヤラしいからそのまま」
「うっ……、な、なんでよぉっ、もうっ」
 顔を手で隠したいが、脚を開きすぎて、後ろ手を解いたら倒れてしまう。羞恥に苛む表情をひとわたり見られている。顔だけではない。無防備に差し出した、濡れそぼって、息をしているかのように緩やかに動いている下肢にも視線を感じる。攻められ始めれば、快楽の嬌声を上げて羞恥を忘れることができるのに、何もして来ないのに期待感だけで淫りがわしくなっていく様子を鑑賞されるのは、羞恥を煽ってくるばかりだった。
「ね、ねぇっ、い、い、つまでこんなことしてんのっ」
 焦燥におかしくなりそうで、平松に訴えた。やっと平松が身を屈め始める。彼の唇が、上下に波打つクロッチへと近づいてくる。
「見られてるだけでも、濡らしたね」
「な、そ……。ううっ」
 鑑賞されている間、何度か体の奥が蠢動して蜜が漏れたのは分かっていた。言われなかったから気づかれていないと思っていた。そんなことないとは言えずに、悦子は焦れた声で、「だ、だったら早くっ」
「早く、どうするの?」
 平松の意図は分かっている。恥ずかしいことを言わされるのは苦悶を更に煽るが、言ったら更に全身を包んでいる熱い疼きが芯まで浸ってくるだろう。
「……早く舐めてっ」
 とんでもないことを言う女だと全身が痺れていった。早く。
「舐めてください、って言ってみて?」
 ここまで羞恥を乗り越えて淫情を暴露しているのに、平松は直前まで顔を寄せて息を吹きかけながら言った。
「な……、……う」
 普段は使われている平松に敬語を使う。しかも敬語で淫らにして欲しいと乞うのだ。導かれるままに言いそうになって、霞んだ理性が最後の力を振り絞ったのか、暫く悦子は声もなく口を開閉させていた。
「言って? そしたらきっと気持ちよくなるよ」
「……、うぅ……、なめて、ください……」
 言った瞬間、脳髄が解けていくかのような錯覚が起こり、理性が吹き飛んだ虚穴を埋めるように平松がストッキングが取り払われたショーツへ唇を押し当ててきた。強くクリトリスを吸着されると、悦子は高すぎて音にならない声を上げ、後ろ手で腰を浮かせて平松の唇へ押し付けていた。限界まで吸い込んだ平松が息を吐き出し、もう一度強く密着して吸い上げたとき、
「うあっ……、だめっ……」
 焦らされ続けた花唇は忽ちひきつって、浮いた腰が暴れ回りながら奥から夥しい蜜をこぼして絶頂に登りつめた。クロッチの両側から溢れてきた蜜を舐めとられると、果てたばかりの敏感な媚肉を舌が擽って、何度も痙攣させられながら下肢が緊縮した。
「もうイッちゃった」
「……うっ、く……、だ、だって」
「気持ちいい?」
 眉間を寄せて下唇を噛んだ貌で少し息が整うのを待ったあと、悦子は小さな声で、
「きもちいい……」
 と言った。絶頂後の慄く体を柔らかい肉で包むように抱きしめてくれるキスがしたいのに平松の唇が遠い。
「もっとしてほしい?」
「っ……、して。……してほしい」
「そうじゃないでしょ? 悦子」
 うあっ、と平松に言われて、叫びを上げた。恐ろしいほどに甘美な世界が眼前に浮かび上がってきている。そこに足を踏み出す躊躇は恐怖にも似ていた。
「……もっと、してください……」
 再び平松の唇が下肢をはみ始める。後ろ手の力が抜けそうになって、悦子は必死で上体を固定して支えながら、下肢ははしたなく平松の顔に向かって何度も押し付けていた。ものすごいことをしている。好きになってしまった恋人に対してとは言え、男の顔に向かって秘所を押し付けている。瞼を閉じた暗みの中で、その自覚は更に悦子の腰を振らせる源となっていた。


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