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〈熟肉の汁〉
【鬼畜 官能小説】

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〈脈動〉-18

『んふッ!!んむッ!!んふッ!!』

「む"ぐッ!!ん"う"ッ!!ん"む"ッ!!」


男の吐息は恭子の口腔に放たれ、そのまま肺に吸い込まれていった。
そして再び恭子の吐息として男の口腔に吹き付けられ、肺の中に吸い込まれていく。
吐息の交換は酸素の欠乏を招き、恭子の身体から僅かばかりの体力すら奪っていった……だが、それでも気力を振り絞って両手を拘束するパジャマを振り解き、押し退けようと両足を振り乱した。


(離れなさいよぉッ!!いい加減に離れてッ!!…お…お願い離してえぇ!!!)


脅迫者達は何時までも“遊べる”ように、避妊具を必ず用意して着用し、恭子を弄んでいた。
その一点だけで見れば、脅迫者達は〈安全〉と言える。


だが、この男は違う。


レイプされている恭子の小さな悲鳴を聞きつけ、調子に乗って侵入してきた狡い強姦魔なのだ。
ここに至っても避妊具を着ける素振りすら見せず、意中の人妻を姦す悦びに浸りきってしまっている。


『ハフッ!!ハフッ!!奥さん…ッ…ハフッ!!…好きだよ…大好きなんだよ……ハフッ!!…僕の物にしたくて堪らないんだよぉ……』


譫言のように繰り返される愛の囁きは、汚されてしまった恭子に残された、最後の清廉な場所である子宮の汚染の宣告と同じだ。

理性を失った微笑みは畜人と変わらず、牡の本能のままに、恭子に自分の命を植え付けてやろうと腰を打ち付けてくる。


(やあぁぁぁッ!!やだあぁぁぁ!!!)


男はまたも唇を奪い、猛烈な速さで腰を振り出した。
互いの下腹部は衝突しあい、柏手のようなパンパンとした音を発てながら汗を飛沫として散らす。


もしも膣内に射精されたなら……?


彩矢という愛娘を宿し、見事に無事に出産した健康な母体なら、一度の射精だけでも妊娠してしまう可能性は充分にある。

もはや恭子は形振り構わず暴れ、男を振り払おうと懸命に抗った。


(だッ誰か来てえ!!助けて耕二さあんッ!!)


望まぬ命を宿す危険より、恭子は第三者によるレイプからの救出を選んだ。
それによって不倫という言語道断な罪がバレてしまうかも知れないというリスクは、今だけは頭の中から消えてしまっていた。


全てを擲っても構わない……そこまで想い愛した人との間で作られた《命》でなければ、愛の結晶とは呼べない……恭子は天然パーマの髪を毟り取ってやろうと両手を伸ばし、猛禽の爪のように指を怒らせ、悲鳴が塞がれているならばと両足を踏みつけ、ドンドンと床を鳴らした……。







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