〈愚者達の夜〉-3
「三名様ですか?お好きな席にどうぞ」
『お、おう……』
三人は一番奥の窓際のテーブルに座ると、水の入ったコップを運んできた美少女の姿をまじまじと見た。
(見たか、オカマ野郎!俺の目は節穴じゃねえぜッ)
(こ…こんな可愛い娘が、こんな近くに居たとは……僕は今、猛烈に悔しくて堪らない……)
(決まりだ……この娘に決まりだよぉ!)
僅かに微笑みながら、その美少女は接客する。
思わず見惚れ、「ご注文お決まりですか?」の声に慌てて答えた。
『み、味噌ラーメンで……』
『やあ、またも奇遇な……僕も味噌ラーメン』
『ぼ、ぼぼ僕も味噌、味噌ラーメン一つ』
突如として現れた美少女に、三人の興奮は止まらない。
互いに含み笑いをしながら、チラチラと視線を合わせている。
「はい、味噌ラーメン三つです」
『お、おう……』
手早く運ばれてきたラーメンを受け取ると、小肥りオヤジはニッコリと笑って顔を上げ、いきなり話し掛けた。
『君、中学生?』
「え?いえ…高校生です」
脂ぎったオヤジの質問にも、その美少女は人懐こい笑顔を見せて答えた。
『高校生なの?じゃあこの店にはバイトで来てるんだ?』
「バイトじゃないです……このお店、私の両親のお店なんです」
鈴が鳴るような声を出し、少し恥ずかしそうに話す美少女に、テーブルの下では凶悪な股間が、ムクムクと膨れ上がっていた……勿論、その光景は美少女には見えてはいない……。