〈愚者達の夜〉-14
『こ…これが咲良ちゃんの……クククク……』
『美味しそう……咲良ちゃんのオッパイ、とっても美味しそうだよ?』
「い、嫌あぁッ!!きもッ気持ち悪いぃ!!」
涙に霞む咲良の視界には、鼻の下を伸ばしたオヤジ達の顔が左右にあり、それらは曝け出されてしまった自身の幼い胸肉を、欲情に塗れた視線を放ちながら視姦している様が映っていた。
その笑顔の変質者達はついに食手を伸ばし、開けられたままの胸元に、その指先を触れさせた。
「や"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッ!!!」
指先が軽く接触しただけで、咲良の肉体は激しい拒絶反応を示し、鳥肌は全身を覆い、臓物は吐き気を催させる程に暴れた。
幾多の少女達を毒牙に掛けた鬼畜オヤジなどに、この清らかな幼体を明け渡してはならぬと叫んでいるようだ。
「やめ…ッ!!ん"あ"ぁ"ぁ"ッ!!!」
胸元だけに止まらず、尻肉にまで悪戯な接触を許してしまった……クルクルと円を描く其れは、首謀者の与える冷酷な愛撫だ……。
『綺麗な肌してんなあ?ツルッツルのスベスベだあ……』
「おッ…お母さん助けてぇ!!嫌あぁぁぁ!!!」
『お母さんはまだラーメン屋に居るはずだよ?咲良ちゃんの声は届いてるかなあ?』
『脇腹が擽ったいのかな?ピクピクと引き攣ってますねえ?』
少女達を玩具として扱ってきたオヤジ達……その苦悶の涙と悲劇の愛液を吸ってきた指先は、何時しか類い稀なる性技を備えるようになっていた……幼過ぎる胸肉の上や滑らかな脇の下や腹部を滑り回るだけで、幼体は激しい羞恥や嫌悪に悲鳴をあげ、哀し過ぎる反応を見せつけて自ら笑い者となっていった。
『なんだ、もう気持ち良くなっちまったかあ?』
「き、気持ち悪いのよぉ!!こんな…こんなあッ!!」
首謀者は、性器と太股の境目の“裏筋”と呼ばれる部分を優しく撫で、そして太股や脹ら脛を舐めるように滑らせると、パンティーの中に指を潜り込ませ、尻の割れ目を指先を震わせながら撫で回した。
「やめてぇッ!!やだッ!!やだあぁぁぁッ!!!」
乳首や性器、肛門といった局部には決して触れず、その周囲だけを徹底的に虐めている。
それは、これまでのレイプとはかけ離れたものである。
三人は、心の底から咲良が“可愛い”と思っていた。
他人を疑う事を知らず、誰にでも親しみを持って接してくる咲良は、まさに地上に舞い降りた《天使》であった。
三人は思った。
咲良が天使であるならば、二度と天空へ戻れないよう、その翼をもぎ取ってやろうと。
清廉な心から伸びた純白な翼の、その羽毛の一つ一つを毟り取り、自分達の住むヘドロ塗れな腐臭に満ちた世界に引き摺り込み、清純な肉体の生皮を一枚一枚剥ぎ取って、体内までも汚液で満たしてやろうと。
心は痛まない。
いや、咲良という天使の心の痛みを取り込む事で、三人は快感を得て恍惚に浸れるのだ。