〈愚者達の夜〉-11
『食べると胸焼けするんだよな、あのラーメン。よくもまあ、あんな店に通ったもんだよ』
「あ、あんな店ってどうゆう意味よぉッ!!あなた達なんかに馬鹿にされる筋合いなんか無いわよ!!」
『馬鹿にする?それは違うなあ……ホ・ン・ト・の・事・を、言ってるんだよぉ?』
『僕も今夜は無理矢理付き合わされて、いい迷惑でしたよ……もう懲りたから二度と行かない……と言うか、そろそろ潰れるかな?』
こんなにも汚い人間を、咲良は知らない……向きになって怒れば怒るほど、三人はケラケラと笑いながら言葉の暴力で虐めに掛かる。
真っ正直な咲良が何を言われれば怒るのか、三人のオヤジ達は前から気付いていたし、どうせ虐めるなら徹底的なのは、それも以前からの事だ。
『あの不味いラーメン食べ過ぎて少し太っちゃってさあ?だから、咲良ちゃんを“使って”汗を掻こうと思ってるんだ……』
「わ、訳分かんないコト言わないでッ!!私を使うって何よぉ!!」
男が女を狙うという意味は一つしか無い事を、幼いながらに咲良は知っている……今の言葉に恐怖を覚えるも、母親を馬鹿にして笑うオヤジ達を許すまいとして、必死に眼光を光らせている……。
『分かんない?男と女が一緒に汗を流すって言ったら、Hなコトしかないだろう?』
『咲良ちゃんのオマ〇コに、おじさんのおチ〇チンをブッ挿すんだ……セックスは知ってるよねぇ?』
「ふッ…!?ふざけたコト言わないでッ!!…だ、誰かあ!!」
『ふざけてないよ?僕達は本気さあ…じゃなかったら、君を拉致ったりしないだろ?』
身の毛が弥立つとは、まさにこの事だろう。
強固な緊縛によって無理矢理に身体の自由を奪い、その純潔を強奪しようと宣言したのだから。
怒りに震えながらも、咲良の心は恐怖に埋め尽くされ、動かぬ身体を必死に捩らせて抗い始めた。
『……知ってる?女の子の身体って、恥ずかしいコトをされるとおチ〇チンが欲しくなって……オマ〇コから愛液って言う涎を垂らすんだよ?』
「ば…馬鹿じゃない…?……本当にサイテーね……」
長髪男は、床の隅に溜まっていた毛髪を無造作に摘まみ、それを咲良に見せて淫らな言葉を吐き掛けた。
その摘ままれた髪を見た咲良の虚勢はみるみる萎み、その瞳は怯えを隠せなくなっていった。
『この髪は、目の前で妹をレイプされたお姉ちゃんのかな?「ぶっ殺してやる」なんて言ってたけど、結局は感じまくって僕達にマワされて……ンクククク……』
「そ、そんなコト聞かされたって、私は怖がらないわよッ!!」
声を張り上げてはいるが、もう威圧感など皆無に等しく、その涙には逃げ出したくて堪らないという願望しか見えない。