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good communication
【若奥さん 官能小説】

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デート、開始-7

「物足りないって顔してるわね」


「あ、いや……」


心の中を見透かされたような気になって、つい目を逸らせると、フッと彼が小さく笑ったような気がした。


「確かに、男ってスケベな生き物だから、露出度の高い服の方が喜ぶって思うわよね。ましてセックスレスで悩んでいるのなら、色気出したいってのもわかるわ。……でもね」


ゴホンと咳払いをしてから、ヒロさんはなおも続けた。


「男って奴は、自分の大切な存在には、あまり露出して欲しくないもんなのよ」


パチッとウインクする彼の長い睫毛がやけに艶っぽくて、ため息が出るほど美しかった。


「一言で言えば独占欲よね。他の男に自分の女の肌を見せたくない、自分だけが見れるんだ、そういう優越感を持っていたいの。セクシーなカッコした女は眼福にはなるけど、男にしたらそれだけよ。ホントに大切なパートナーならあまりチャラついた格好はして欲しくない、それが本音」


「…………」


「まあ、そういうカッコが好きな男ももちろんいるけど、普通の男なら、チャラついた女より、清楚な女の方がポイント高いと思うわよ」


言われて、私は唸るだけ。


確かに付き合っていた頃、バリバリ露出度の高い服を着ていた私に、「あまり他の男に見せつけないで」なんて言われたことがあったっけ。


でも、その頃の私は、輝くんは女のファッションをわかってないって一笑に付して聞く耳を持たなかった。


きっと輝くんはその頃から、清楚な格好が好みだったのかなあ。


ヒロさんの言ってることがすうっと胸に落ちていく。


「男ってね、女の服の流行なんてほとんどどうでもいいのよ」


「そうなんですか?」


「流行の先端を走らずとも、無難な女らしいカッコが何だかんだ言って一番いいの。ましてあんたも大人の女なんだから、変に流行を意識しないで、質のよさで勝負した方が絶対いい」


すると、ヒロさんは私の選んだワンピースを拾い上げてから、こちらを見る。


「あんたの選んだワンピース、さっきはダサいって言ったけど、言い過ぎたわ。ホントはそんな言うほど悪くない」


「え?」


「ただね、服もTPOってのがあるのよ。あんたの選んだのは、どう考えてもパーティー向け。それも20代前半の女の子が結婚式にお呼ばれしてちょっと頑張っちゃいました的な」


「…………」


彼の言わんとしてることがわかって、私は顔から火が出そうになった。



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