デート、開始-2
――ちくしょう、あのオカマブラザーズめ。
ゆっくり起こした身体に浮かぶのは、私を変身させてくれた天童兄弟の高らかに笑う兄と、意地悪そうに片側だけで笑う弟の顔。
そんな二人の顔を思い出すと、変身させてくれたとは言え、自然に苦虫を噛んだような顔つきになるのだった。
そう、あれはついさっきの出来事。
服を脱げと詰め寄るオネエ(兄)は、後ずさる私の身体を捕獲すると、レイプと言わんばかりに服をひん剥いた。
「ギャーッッッ!!」
当然ながら、必死で抵抗する。
だって、天童さんはオネエと言えども身体は立派な男だし、輝くん以外の男に裸を見せるなんて絶対嫌!
だけど、こんな時に限って天童さんは男らしく、容赦なく私の着ていた黒いワンピースのファスナーを一気に下げる。
「いやぁっ! やめてぇぇ!」
ブラが露になって、いよいよ危機感が襲ってくる。
嫌だよ、怖いよ!
涙目になりながら必死で天童さんの腕を掴んで、止めさせようとする。
水色のレースがたくさんついたブラとお揃いのショーツ。
これだって、この日のために用意したのに。
輝くんの好きそうな清楚な下着を選んで見せるつもりだったのに、他の男に見られるなんて絶対やだ!
馬乗りになられて身動きがとれないけど、必死で身体を捩り拘束から逃れようとする。
だけど、所詮私はまな板の鯉。
「ジタバタするんじゃないわよ、さっさと脱ぎなさい!」
「いやっ! いやあっっ!!」
それでも必死の抵抗に天童さんも手こずっているようで、時折舌打ちをしている。
らちがあかないこのやり取りに、痺れを切らしてきた天童さんはついに、
「ちょっと手荒いけど行くわよ!」
「いやあっっ!」
と、私のワンピース一気に脱がすと
「ほわちゃあっ!」
という変な掛け声と共にそれを宙に放り投げた。