疑い-1
このことがあってから、ヴィーカは秀哉と一緒にいることが多くなった。消しゴムは、気持ち悪いので秀哉にあげたら、秀哉が同じ新しいものをアンジェリーナに買ってくれた。消しゴムのことはもうどうでもいいようにも思われたが、やはり真犯人は誰なのかアンジェリーナには気になった。
アンジェリーナはまず順吉を疑った。ヴィーカは美人でやさしい。胸も小さいがはっきりあるし、お尻も女の子らしい形になっている。男がヴィーカを選ぶのは当然であるように思われた。女らしい嫉妬でもあった。しかし、ヴィーカは順吉を知らないし、順吉がヴィーカと知り合う機会もなさそうだった。もしかしたらこれはヴィーカの自作自演かともアンジェリーナは考えたけれど、ヴィーカは正直な子であり、計略を思いついたりしない子だと、アンジェリーナはこの考えも取り下げた。
アンジェリーナがヴィーカに、どんな男だったのかよく教えて欲しいと言うと、そんな話もうしないでと怒られた。
アンジェリーナは困った挙句、陽一に全部を話してしまった。陽一は秀哉とつるんでいるが、とても頭の良い、メガネをかけたおとなしめの男子だった。そしてどうやらアンジェリーナが好きらしい。人の来ない体育器具室の裏に、夕方アンジェリーナは陽一を呼んだ。二人は並んで座り、裸の肩が触れていた。
話をしているうちに陽一のズボンが膨らんでいることを見たアンジェリーナは思わず興奮した。そして、あんたもう大人なのと陽一の体操服のズボンに手を置いた。全く無抵抗なばかりか、何かを期待している陽一の目にアンジェリーナは下品な依存心を感じ、いじめたくなってきた。アンジェリーナは片手を陽一のズボンに入れると、気持ちいいことしてやろうかと言った。秀哉のより大人の形になっているけれど、まだなりきっていない先の部分を確かめて、アンジェリーナの心はかっと熱くなった。アンジェリーナは、痛がる陽一を無理に大人の形にさせ、順吉にしていることを始めた。少年らしい不潔さが気になったアンジェリーナは、ジュースがあったらよかったと思った。陽一は押し倒されて、アンジェリーナが上になった。うめく陽一に下着を下ろされたアンジェリーナはいよいよいじめている気分になって、陽一の顔に座り込んだ。陽一はそこが見たいらしく、手で抵抗していたが、アンジェリーナは構わず体の重みを加えていった。経験から、もう男が出てくるのをアンジェリーナの喉が心待ちにしたとき、陽一はアンジェリーナが驚く程の力で起き上がり、アンジェリーナの背中に覆いかぶさった。そして、目で分かる程ひらいていたアンジェリーナを突き刺した。しかし陽一はすぐ体重を全部アンジェリーナに預けてぐったりとなった。その乱暴さと悔しさとに、うつぶせで泣きながらアンジェリーナは陽一に聞いた。ヴィーカの話、どう思った。陽一は何かを為し遂げたあとのように男らしく上体を起こして言った。先生、ヴィーカが好きらしいけど。