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吐息の会話
【その他 官能小説】

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吐息の会話-4

(4)


 密かな快楽が始まったのは翌週末からである。
土曜日に武藤の部屋で二人でゲームをしているとケーキを持ってきた麗華がぼくに笑いかけて、
「今日は泊っていくんでしょう?」
「いえ……。うちに言ってきてないから……」
「泊りなさい。ねえ、直樹さん。その方がいいわよね?おばさんおうちに電話してあげる」
言葉は穏やかなのに強引にいうとぼくの返事も聞かずに、
「晩御飯、美味しいの作るわよ」
武藤に言いながら視線はぼくに向けられて目が頷いた。
 
 夕食後、武藤がトイレに立った隙に、麗華がぼくの耳に囁いた。
「遅くまで起きていられる?」
「はい……」
「眠くなったら寝ててもいいわよ。おばさん起こすから」
「……」

(セックス……)
そのつもりなのだと思った。
でも、どうやって?……。
今夜はおじさんもいるし、ぼくはいつも武藤と一緒の部屋で寝るのだ。
「直樹が寝た頃行くから。あの子すぐ寝ちゃうでしょ。ふふ……」
ぼくの心を見透かしたように微笑を浮かべて言った。
口元から覗いた赤い舌が濡れ光った。

 
 武藤が寝たのを見計らって、麗華はぼくを別の部屋に連れていくにちがいない。広い家で部屋はたくさんある。武藤もおじさんも寝静まってからするんだ。そう思っていた。
 だが、そうではなかった。彼女は武藤の部屋に忍んできて、『その場』でセックスを始めたのである。武藤が寝ているすぐ横で……。

 静かに開いたドアから現われた浴衣姿の麗華はいったん立ち止まり、武藤の様子を窺った。薄暗がりである。それからぼくの顔を覗き込み、目が開いているのを確認すると指でVサインを見せて微笑んだ。
(なんだろう?……)
拍子抜けするほどの軽さであった。思わずぼくは笑った記憶があるが内心は緊張していて体は汗ばむほど強張っていた。
 しかしさらに驚くことが続いた。
『さあ、いくわよ』
口には出さないが、まるで二人だけの世界のように麗華はぼくの上に羽ばたいた。
 いきなり電気を点け、煌々と照らす明かりの中、舞うようにはだけた浴衣の下は全裸であった。

 麗華は横になっているぼくの上に跨って見下ろし、蝶の羽を脱ぎ棄てた。一糸まとわぬ女体。漆黒の股間に白い性器……割れ目が見える。
(ぼくのペニスが入ったおまんこ!)
昂奮が燃えたぎったのはいうまでもない。だが同時に緊張に強張った。
(武藤……)
すぐ隣には武藤が寝ているのである。
 麗華は妖艶な微笑みをたたえながら首を横にゆっくり振り、人差し指を唇に当てた。

 腰を下ろした麗華の性器が内部の粘膜をのぞかせてぼくの眼前に迫った。
『舐めて……』
彼女の口から赤い舌が覗き、揺れた。無言の言葉である。
 ぼくの口を塞ぐように女陰が触れた。ふぅーっと息が洩れて生臭い陰裂が押しつけられ、ぼくの舌は秘肉をまさぐる。小さなコリコリの突起に触れる度に伸び上がる上体。ぬるぬるの液がとめどなく溢れてくる。
(ああ……)
柔らかく、温かい……。
ぼくの手は豊満な尻を撫でながら、腰、そして乳房へと伸びていく。

 麗華が体を前に傾けたのはぼくの手が乳房に触れやすくするためだ。
重みで垂れた乳房を掴んだ。片手では包みきれない大きさだ。
(柔らかい……)
が、弾力がある。

 部屋には二人の息遣いとぼくの口と性器が立てる粘着音だけがきこえている。
武藤は寝息を立てている。だが、
(もし、起きたら……)
気が気ではない。
 やがて麗華は膝立ちになり、秘唇は粘液の糸を引いて離れた。そのまま四つん這いになって下へと向かう。
(ああ!)
待ち望むペニスは限界の漲りに痛みさえ伴って疼いている。

 跳ね上がる陰茎。激流の血は血管を膨張させて噴出の準備はとっくに整っていた。
根元をそっと握った麗華の眼差しは優しさを滲ませてぼくをじっと見つめ、ふたたび首を横に振り、指を唇に当てた。そして念を押すように頷いた。
『声を出しちゃだめよ……いいわね……』
『はい……』
ぼくも顎を引いて答えた。二人の昂奮が交差した。

 麗華の手に力がこもる。ぼくと視線を絡ませたまま顔を先端に近づけていく。
『ああ……』
唇が触れる寸前、赤い舌先が伸びてきて『ぼく』は包まれた。
『痺れる!』
全身を突っ張って堪えた。ぼくを頬張った麗華が上目で見ている。
『イッテイイノヨ』
大きく上下に動いた。
『アア!ダメ……』
『イイワヨ』
『麗華サン……イク!』
怒涛の放出とともに制御できない痙攣に見舞われた。
ドクン、ドクン、ドクン、dokunn dokunn dokunn……。

 歯を食いしばって声を呑む。声を上げたいのに歓喜の叫びを喉の奥で押し殺す。
『気持ちいい!』
それなのに、苦しい。気持ちいいのに苦しくて、押し籠められた快感が風船みたいに膨らんでくる。
 芯が抜けたペニスを麗華は含み続けていた。大量の精液はすべて飲み下して、フェラチオはふたたびの硬直へと動き始めていた。



 

  

 


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