詐欺-2
「その美貴様がお怒りになりもう我々のサイトから脱退するとの連絡がありましてね。そうなると我々も大きな痛手を受ける事になるのはご理解いただけますでしょうか?」
「ま、まぁ…」
そこから話は核心に迫って行く。
「真田様は我々のサイトに登録の際に利用規約を読まれてから登録いただいた事と思います。」
「い、いや、正直良くは読んでませんでした…」
「それは困りましたね。私どもも後からトラブルになると双方困りますので登録前に利用規約を読んで了承された片方のみ登録処理を行って下さいと注意喚起しておりますので、登録なされたと言う事は利用規約に同意していただいたものだと判断致しております。いわゆる誤解を招くようなワンクリック形式はとっておりません。そこはご理解いただけますか?」
「え、ええ…。」
相槌しか打てなくなる竜彦。そして次の言葉に衝撃を受ける。
「では利用規約の中の、違約金発生の項目はお読みにはなられてないという事でしょうか?」
「違約金…?」
「はい。当社に被害を被るような行為があった場合、それ相当の賠償金を請求するという項目です。今回の場合は一千万の賠償金を請求させていただく事になりますね。」
「い、一千万!?」
「はい。あなた様は一千万の資金を我が社から失わせてしまいましたので、その金額です。利用規約に基づき1週間以内にお支払い下さい。もし期日までにお支払いいただけない場合はこちらからあなた様の元へお伺いさせて頂き速やかにお支払いしていただけるご相談をさせて頂く事になりますので。」
「ち、ちょっと!無理です!そんな…」
困り果てる竜彦を見捨てるような口調で言った。
「それではお支払い金額がご用意できましたらご連絡下さい。では。」
一方的に電話を切った。
「ち、ちょっと!」
いきなり降りかかった災難に混乱した竜彦。暫く呆然としていた。