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『正夢』
【青春 恋愛小説】

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正夢〜希望〜-5

ベッドに体を預けながら、今日の出来事を思い出した…。
高山君が私のためにあんなに頑張ってくれてる…。

「私も頑張ろう…!」

私はある決意を固めた。



時は進み、球技大会当日…。私と恵のコンビは、見事に二日目に出場が決定した。

テニスの試合が終わった瞬間に私はグラウンドへと走った。

ワアァァ…!

最終回、ツーアウト満塁。バッターは…。

『渉〜!!打てよコラ!』
『黙れ、翔!気が散るだろうが!!』

高山君が打席に立っている。相手のピッチャーが一球目を投げる。

ブンッ!!

豪快な音を響かせて、バットは空を切った。
スコアを見ると、私たちのクラスは三点差で負けていた。

ブンッ!!

続いて高山君が空振る。後ろから見ても、高山くんの背中が緊張で固まっていたのが分かった。

一旦高山くんは構えを解き、深呼吸した。

今しかない…!高山くん、あんなに頑張ったんだもん。私も…頑張らなくちゃ!

「渉くん!頑張って!」

渉君は私に向き直ると、楽しいような、恥ずかしいような顔をして再び構えた。

何故か私は直感していた。

渉くんは、打ってくれる…。

勝負の三投目が投げられた。
少し高めに浮かび上がったボール…。

『うおおぉぉぉぁあ!!』

渉くんの叫びと共にバットがボールへと吸い寄せられていく…。

カキンッ!!

青空高く打ち上がったボールを見て、私は懐かしい感覚に襲われた。
青い空に打ち上がる白いボール…。

「正夢…になった…」

渉くんが、ホームベースを踏む…。

『逆転サヨナラ満塁ホームランだぁ!』

皆が渉くんに駆け寄る。私はその光景を見て微笑ましくなった。

よかったね、渉君頑張ったもんね…。
嬉しくて涙が出そうなのを我慢していると、みんなの和から渉君が出てきた。


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