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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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略取1-4

「娘さんについてはご心配にはおよびません。おや、どうしました、ご気分でも悪い」
「いいえ、大丈夫です」
 連絡をさせた、と言った。岩井がうちに連絡するよう恵に指示したのだろうか。「恵に会わせて頂きたいのですが」と身を乗り出す。今度はめまいに襲われ、体が傾いたような気がした。思わず肘掛けに手を突く。
「うん、もちろんです」
 視界がゆがんだような気がして、小さく首を振る。
「やはり体調が優れないのではありませんか」
「大丈夫です。すみません」
 岩井の顔がぐにゃりとゆがんで見えた。恵の恩人かもしれない人に心配をかけては申し訳ないと思い、平静を装おうとした。岩井が恵のケータイを使って連絡してきたことを思い出す。もしかしたら近くにいるのでは。
「め、めぐみは、どこに」
 何だろう、舌がうまく動かない。岩井が立ち上がった。まるで小山が動いたように思えた。心配そうな顔で奈津子のほうに回り込んでくる。
「元気にしておりますぞ。それよりあなたの体の方が心配です」
「ご心配をおかけして、申し訳、ご、ございません」
 何とか言えた。カゼでもひいたのだろうか。姿勢を正そうとしたがいうことをきかない。体が椅子に沈み込んでいくような気がした。
 岩井が後ろに回り込み、奈津子が座っている椅子ごと横に向きを変えた。ガガッと音をたてた。突然だったので肝を冷やす。
「驚かせて申し訳ない。ちょっと失礼」
 奈津子の目の前にしゃがんだ。岩井の大きな顔が迫る。また強い体臭を感じた。
「眼球が少し充血していますな。ワインのせいかのう」
 奈津子の頭頂部に手を置きまぶたを持ち上げた。顔が近い。アルコールとタバコの混ざった匂いが鼻をつく。いきなり両手で顔を挟まれ、左右の目の下を強い力で押された。熱した石に肌を触れられたような気がした。痛みを感じたが黙っていた。大きな目が覗き込む。
「あの、だ、大丈夫れす、ですので」
 妙な舌足らずが恥ずかしい。岩井はうーん、と唸ってから、両肩に置いた手が撫でるようにして下がってくる。皮膚の感覚だけは異様に敏感だった。触れられてますます手の大きさを感じた。いきなり腰を掴まれ、小さな悲鳴をあげた。岩井は気にする様子もなくわき腹をつかんだまま、ひざ頭に鼻が触れるくらい体勢を低くした。
 脚にも力が入らない。だらしなく開いているが閉じられない。岩井の目がぎょろっと動いた。スカートの中をのぞいているような気がした。さらに手が下がってくる。
 大丈夫ですから、と言おうとしたがすぐに言葉がでず、「ソファーで少し休まれてはいかがかな」と岩井が顔をあげた。奈津子がうなずくと手がお尻に下りてきた。
「抱きあげまずぞ」
 腰の下に左右から手が差し込まれた。お尻の割れ目にまで指先が届いいている。ゾクッとして、自分で立てると伝えようとしたが、あっという間に体が宙に浮いた。
 片手でお尻を支え、岩井の体をはさむよう脚を開かされる。スカートがまくれ上がる。岩井の手が背を抱く。正面から体が密着する。
 両手がだらりと下がったまま抱かれている。腕に力が入らない。親に子供が抱っこされているような、惨めな格好に顔が熱くなる。
 ソファーへ移動する間、何度か抱き直す。その都度、お尻を抱えた手が別の位置に移動する。皮膚が過敏すぎて怖いくらいだ。
 奈津子を片手で抱えて、次から次へとチーズを口に放り込み、ワイングラスを持った。クチャクチャとチーズを噛む音が耳元で聞こえる。体臭とタバコとアルコールにチーズの匂いが混ざった。
 ソファーに座らされると思ったが、何と岩井自身が座った。奈津子の両足を広げて分厚い腰を抱かせるようにして、正面から抱かれたのだ。
 太腿がほとんど露わになる。とても恥ずかしい格好。田倉が好きなラーゲだと頭をよぎる。下半身から得体の知れないものが込み上がる気がした。うろたえたそのとき、腰の下にある異物の正体が分かった。初めから感じていたのだが、あまりに太すぎてそれだとは思わなかったのだ。ストッキング越しに生々しく形状を理解した。
「もう少しワインを飲みなさい」
 ぐらつく頭部を手で抱えられ、ぐるりと首をねじられた。背筋から恐怖がせり上がる。
 口にグラスが宛がわれる。チーズをかみ続ける顔が近づく。頬に指先がめり込んだ。あまりの痛みで口を開く。ワインが流し込まれるが飲まなかった。赤い液体が岩井の服を濡らした。唇に笑みはあるが目は笑っていない。
 グラスをテーブルに置いたのはわかった。次の瞬間、焼け付くような痛みが頬を襲った。しばらくして殴られたことを知る。岩井が手を振り上げているが見えた。体が凍り付く。二発目の平手が炸裂した。麻酔をかけられたように頬の感覚がなくなった。三発目で脳しんとうを起こしそうだった。口の中に塩辛い味が充満した。
「ワシの指示に従いなさい。そら、もう一度だ」
 後頭部を抱えた指が頬にまで届く。口の中にその指がめり込む。今度は必死でワインを飲み干した。グラスの中身がなくなるまで岩井は続けた。強烈な痛みと涙で視界がぼやけた。鼻の中も濡れている。血か鼻水かも分からない。体液が鼻から垂れるのが分かった。
 抵抗もできない女に平然と暴力を振るう。あまりの理不尽さに戦慄を覚えた。
「よしよし」
 唇が触れんばかりに顔が近づく。ストッキングの上からお尻のあわいをまさぐる。指先がもっとも恥ずかしい部分を探り当てた。
「どれ、口の中を見せなさい」


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