波立ち始まる海原-5
すれ違う女を目で追う海斗に呆れる幸代。
「ったく、エッチなカッコした女ばっかり…。」
少々不機嫌そうな顔をしている。
「てかおまえら女はそーゆー服を探して買って着るんじゃないのか?」
「どーゆー事ですか??」
「どーせ着るなら男の視線を浴びるような服選ばないか??服買うときの要素には他人の目もあるだろう。おまえは女友達にカワイイカワイイ言われたいのみだけに服選ぶか?男の目を意識した服選びはしないのか?」
「えっ??」
「例えばミニスカートを買おうかどうか悩む。女友達にはカワイイと言われるだろう。でも短すぎないか悩む。何で?それは男の目を考えてるからだろう。短すぎないかどうかは誰に見られて思う事だ?男にだろう?女にパンツ見られて恥ずかしいか??違うよな?男に見られて恥ずかしいんだよな??」
言葉に言いくるめられてしまう幸代。言われて見れば男受けを考えて服を選ぶ時もある。思い当たるフシがある以上、強くは否定出来なかった。
「そ、そりゃあるかも知れないけど…」
歯切れが悪い幸代に海斗はますます優位に話を進める。
「おまえだってすれ違う男に全く見られない服よりも見られる服を着たいって思うだろ。男に見られたいと言う気持ちが強くなればなる程に肌を露出していくもんさ。だからナマ脚バーンで谷間ちゃんモロ見えのカッコしてる女は見せたくてしょうがないんだ。だから俺は見るんだ!」
「そ、そうですねぇ…」
答えに困ったというのが本音だ。まぁ海斗の言いくるめる事も一理あるかなとも思った。
「じ、じゃあ私がナマ脚バーンのスカートやらホットパンツやら履いたら見てくれますか!?」
幸代は自分で一体何を言っているんだと焦ってしまう言葉がついつい口から出てしまった。幸代はニヤッとして答えた。
「見てやるぞ〜?ニヒヒ!」
「や、ヤダ、バカァ…」
照れてしまい下を向く。目には自分のスカートが映る。確かに海斗にチラチラ見られるのが恥ずかしくて膝が隠れる位のものを着用している。助手席に座り少し捲れてしまい膝上が見えてしまうのでさえ恥ずかしい。でも脚を見せて海斗が喜んでくれたならもう少し短くしてもいいかなとも思った。
(でもそんな話を聞いた後じゃ見せたい女だと思われちゃうじゃん!!)
とか思ってる間にも海斗はナ脚を見る度に視線を向けている。段々イライラしてきた幸代。
「もう帰る!」
駐車場の方へ早足で歩き始めた。
「お、おい待てよ!」
焦った海斗は幸代を追いながらもナマ脚や谷間ちゃんを物惜しげにチラチラ見ていたのであった。