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THE 変人
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マーメイド-6

道具をしまい終わり、すっと立ち上がり、夕日で黄金色に輝く海を見つめる海斗。
「じゃ、またな瀬奈。また来るわ。」
そう言って海に背中を向ける。
「僕これもつよ。」
「私はコレ持つー。」
勇人は竿、勇人はバッグを持つ。小さな子供が重そうに荷物を持つ姿は可愛らしい。思わず笑みがこぼれる。
「ほら来い、デルピエロ!」
海斗がしゃがむとデルピエロが胸に飛び込んでくる。海斗はそのままデルピエロを抱き担ぎ立ち上がる。

「じゃ、帰るか!」
「はーい!」
3人は歩き出す。
「じーちゃん、また海来ようね!」
「ああ、いくらでも連れてきてやるぞ!」
「私もー!」
「ああ。」
そんな話をしながら歩いてくる海斗らを幸代と麻里奈は笑みを浮かべながら見つめていた。

よくこうして海斗に抱き担がれるデルピエロも心地良さそうだ。デルピエロにとっても初めての海。その光景をジーッと見つめていた。そのデルピエロが何かに気づき首を起こして一点を見つめる。
「ワオン…」
小さく吠えたが海斗は気にもしなかった。そんなデルピエロが小さく尻尾を振り始めた。海に泳ぐ何かを見つけた。

「ワンワン!!」
デルピエロは尻尾を大きく振り鼻を鳴らし始めた。そんなデルピエロを抱き担ぎ孫としゃべりながら幸代の元に歩いて行く。

「ワンワンワン!クゥーン、クゥーン」
その時、デルピエロの目には、黄金色に輝く海を優雅に、気持ちよさそうに泳ぐ美しいマーメイドの姿が映っていたのであった。






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