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水面の少女 加奈
【レイプ 官能小説】

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淫欲の呪縛-1


 事件から丸二年の時を経て、磯崎香(旧姓太田加奈)は高校二年生へと成長を遂げていた。
その麗しい程の魅力は本人が望まぬも、変わらず異性の関心を引き寄せてしまう。
身長の伸びこそ中学時代より僅かに止まるも、全体的なバランスはさらに魅力を増しすれ違う成人男性すら魅了する。

その変化は香(加奈)自身の内面にも深く浸食しはじめていた。
高校編入時より月に一度ほんの短い期間にのみ現れ始めていた狂おしい程の欲求。
その欲求の期間こそ変わり無かったが、求める事への深さが日に日に深くなり始めている事に気付き始める。
自らの指先では満たし切れない深い渇きが、この頃より時と場所を選ばず香を苛めはじめる。


 そしてそれに呼応するかのように、“悪夢”が再び足音をひそめ忍び寄る。

夏休み、香の新しい家族(母方の弟夫婦)が一週間ほどの里帰りをする。
本来ならばそれは、家族水入らずの小旅行的なものである。

しかし父方の実家への里帰りである以上、香にしてみればほぼ他人の家に赴く事になる。
当然父方の祖父母は突如現れた孫娘に違和感を覚え、その経緯も知っている事であろう。

「ほんとうに良いのかい? 香?」
“母”は、そう申し訳なさげに声を掛ける。

「ほんと、お父さんもお母さんも心配しないで、私って結構家事に自身あるんだから!」
両親の心配をよそに、香はひどく的外れな答えで返した。

最後まで両親は香を気遣いながらも、数事の会話の後幼い義弟を連れ家を後にする。

(家族っ…… かぁ? まだ、ちょっと、ピンとこないのかな?)
新しい家族と丸二年過ごしてなお、“加奈”にはまだ実感はなかった。


 家族を見送った後、午後より一週間分の買い出しに出かける。
一緒に里帰り旅行に行かない事は事前に決まっていた事で、“加奈”にとってはある意味自身を再確認する貴重な時間とも思えた。

それ故その期間における全ての事において、自らが行う事を母に申し出ていたのだ。
母も“加奈”のそんな気持ちを察してか、必要以上に里帰りへの同行を求める事も無く、夫にもそれとなく“娘”の心境を伝えるのであった。

事前に必要な物のリストを書き出し、効率良く近所のスーパーで買い物を済ます。
途中近所の住民とすれ違うも、申し訳程度の挨拶で足早に自宅へと向かう。

(やっぱり…… まだ、人の目が気になるのかな?)
まだ隣人に対し距離感を持つ自分に少なからず罪悪感を感じる。
それでも風説に曝された日々の記憶が、“加奈”の心を頑なにさせる。

「ガチャリッ」
玄関ドアを開錠した瞬間、背後に人の気配を感じ言い知れぬ不安感と悪寒がはしる。

「久しぶりだな加奈、随分と探したぜ。いや、今は香、磯崎香と呼ぶべきなのかな? もっとも俺様にとって名前がどう変わろうと、構う事はないんだがな」
朽ち果てた老木の様な男は、満面の笑みを浮かべ背後に立っていた。

「……」
香の記憶は瞬時にその身の毛もよだつ声の主を思い起こす。
あまりの恐怖と嫌悪に吐き気すらもよおすも、必死に声の方向に振り返ろうと試みる。

醜悪な男を視覚の隅に捉え叫び声を上げようとした瞬間、全身から力が抜け落ちて行く事を感じる。

(なぜ? あいつが、あの男がここに……?)
薄れゆく意識の中、香はそう思わずにはいられなかった。


「ぺしっ、ぺしっ、ぺしぺしっ」
ぼんやりとする感覚、ひどく不快な感触に加奈の意識が戻りはじめる。
それは頬を打たれる感覚…… ゆっくりと重い瞼を開いていく。絶句、いや、絶叫を上げる。

「ふひゅー、ふひゅー」
しかしその叫び声は滑稽な音へと変わる。

口に無数の穴が開いたゴルフボール大の球が押し込まれ、それはまさにS.M.で使用される猿轡である。
それが絞り出される悲痛な叫びを無力化し、滑稽な風切り音へと変えていたのである。

そして自らの頬を叩いていた“物”と、その持ち主を激しい心の痛みと共に認識する。
それは男性の性器…… 忘れたくても忘れる事が出来ない藤岡留吉の陰茎であったのだ。

「ふひゅー、ふひゅー、ふひゅー」
気も狂わん程の恐怖に繰り返し叫び声を上げるも、先程同様虚しい風切り音にそれは変わる。

「ひたりっ」
頬に留吉の陰茎が押し当てられると、必死に顔を背け逃れる。
すると大量に分泌されたカウパー線液が、陰茎先端と頬をドロリとした太い糸をひきながらつなぐ。

「ようやくお目覚めかい、香? いや、今日から7日間は、加奈、そう太田加奈に戻ってもらうぜ、なぁ、加奈!」
留吉は卑下た笑いを浮かべる。

(7日間!?)
“加奈”は恐怖、そして絶望に…… あまりの恐怖と絶望を瞬時に理解した。
生暖かい感触が加奈の太腿つけ根よりフローリングの床へとつたいはじめる。
それはほんの僅かな間隔おいて、その心を縛る恐怖同様冷たく温度を変えて行く。

「おいおい、加奈、こいつはさい先良いサービスだな。そういや昔同じように、俺様のイチモツをアソコにあてがった途端、小便垂れ流した餓鬼も居たっけかなぁ?」
目を細め嘲ながらも、留吉の異常さは加速していく。


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