〈狂宴・後編〉-21
『マスクを被った姉と、それを見ている妹……麻里子と美津紀のようではないか?ブフフ……ほれ、早く景子に教えてやらんとぉ……優愛の頭が美津紀のようにオカシくなるやもしれんぞぉ?』
卑劣な脅迫によって、景子は性家畜でいる事を強いられている……叶わぬと知りながら、それでも一縷の望みに賭けて屈辱を受け入れている……凌辱された優愛であっても、それでも我が身を擲(なげう)ってでも助けたいと願う姉の一途な思いは、しかし、今はそれが、優愛の精神を破壊してしまう程の激痛となって、苦しめてしまう事となっている……。
『は…激し……ヒック…激しくて…ヒック…ヒック…おか…オカシくなっちゃうッ……うぅッ……』
(嫌だあぁぁッ!!!……おねッ……お姉さ…ん……)
優愛には景子の咽び声が上手く聞き取れず、喘いでいるとしか聞こえなかった。
何故、景子が言いなりのままでいるのかを知らず、今の状況すら理解出来ないでいる優愛には、あの景子の恥知らずな媚態が、自分への裏切りに見えてしまっていた。
(ま…守ってくれないの…?……私を……助けて…くれないの……?)
あの夜、拉致された自分を助け出す為に姉は乗り込んできてくれた。
多勢に無勢で、無惨にも逆に捕らえられてしまったが、それでも恐怖と絶望に満ちた航海の最中には、姉は自分を励まし続けてくれた。
「絶対に助け出してくれる!!」
そう信じて疑わなかったのに、再び出会えた姉は拘束を施され、その姉の前で自分と彼女はレイプの餌食とされ、そして今に至っては、首輪とマスクだけの拘束にも関わらず、あの憎らしい変態オヤジのペットにでもなったかのように媚び諂い、快感を貪っている。
『クククク……信じられないって顔してるねぇ?でもアレが君のお姉さんの“本性”さぁ……』
専務の腕の中で、優愛はガタガタと震えていた……まるで兎のように怯えきった優愛を労るように胸を弄びながら、専務は冷酷な台詞を囁き続けた……。
『君は男が嫌いなんだっけ?まさか…汚くて不潔だなんて思ってるのかな?……だがなあ、女の方が不潔でイヤラしいんだ……クックック……あの景子お姉さんを見てみろぉ……刑事だ何だって格好つけたって、一皮剥けば……クックックック……』
「ぶぐッ!!ふ…ふぅ!!」
激しくディルドで虐められる景子の身体は、何かにとり憑かれたかのようにビクビクと跳ね、背中を丸めて痙攣まで起こすようになっていった。
そして下がった尻を上げろと命じられると、謝罪の言葉を叫びながら景子は背中を反らせ、股間を優愛へと突き出した。