園-2
「おはようございます」
着替えて、日焼け止めも含めた化粧を完璧にしてして居間に行くと
すでに朝食は出来ていて。
「食べたら行くぞ」
と言われた。
そんな朝食をガッツリ食べる習慣はないうえに
朝が早いから
私はほとんど食べられなくて。
綺麗な箸さばきで、ドンドン片桐さんの口の中に消えて行く
食材をボーっと見ていた。
「食べないと倒れるぞ」
「はい」
返事をしたは良いけど、朝からこんなに食べられないよ。
「ま、都会の女の子にこんな朝早くに食べろっていうのが無理か」
決してバカにした言い方ではないのだけど。
それでも、無能な女と言われたような気がした。
「辛くなったら言え。絶対に無理するなよ」
「はい」
食べ残した分は冷蔵庫に入れて
帽子をかぶって家からすぐの畑に出た。
「まずは虫をとる」
ひ〜・・・ムシ?
「このチンゲン菜な。真ん中の新芽からやられるから。
1つ1つ見て行って」
「1つ1つですか・・・」
私は見渡す限りのチンゲン菜の列を見てため息をついた。
「そう。1つ1つ。虫がいたら言って。俺が退治するから」
「は〜い」
一体どんな虫がいるのかも分からず
チンゲン菜のカブの1つ1つを見て行く。
可愛い。
こんなに小さいのに、ちゃんと形になってる。