母から娘へ-1
母柏木佑香(旧姓石崎佑香)から、娘恵利子に託された“願いと約束”。
「天よりの恵み全て利する子に育って欲しい」
そう佑香は夫に、娘に対する“願い”を込めて語る。
「次の私が必ずあなたを受け入れます」
それより数年前、狂刃より身を挺し守ってくれた少年に、無意識に口にした“約束”。
(また逢えたら…… 逢いたい)
薄れゆく意識の中、佑香との再会を願う少年、千章流行(せんしょうりゅうこう)。
佑香に対し歪んだ想いを抱きつつ成長する弟敬人(けいと)と、偽りの契りを交わすもうひとりの内なる佑香?の存在。
守護(まも)られる者と守護(まも)る者との関係は、不明確なままこの世代を過ぎ去ろうとしている。
しかしひとつ言える事は、それは“通常世界のそれに在らず”と言う事。
西暦2004年
運命が僅かに動きははじめる。
十三歳に成長した佑香の娘恵利子と、社会的にも肉体的にも成熟を果たした少年、千章流行が偶然にはじめてめぐり逢う事になる。
それはこれより永きに亘る“運命の始まり”のきっかけにしか過ぎない。
恵利子と流行…… 母佑香の約束を世代を超え娘恵利子は果たす事になるのか?
それより早く恵利子に絡み付く、藤岡留吉の二男精児の欲望。
西暦2006年
運命は再び動き始める。
連続強姦魔、千章流行(せんしょうりゅうこう)は自らの欲望に従い求め動き始める。
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