揺らぐ-5
思わず顔を赤らめて、また心の底から込み上げてくる苛立ちと混乱に対処しようと身構える。
その気配は微かに感じるものの、目眩を覚えるほどの混乱はやってこなかった。
裸にされて目隠しされ、縛り上げられて陰毛まで剃り落とされてしまい。
今さら恥辱にも慣れてしまったのだろうか?
柔らかなタオルの感触が性器の周りを拭いとると、丸裸にされて空気に触れるソコを感じる。
意識は冷やかに研ぎ澄まされ、身体は異様な火照りに包まれていた。
ぎしりと音がした。
目隠しで見る事はできないけど、垂れ下がるロープがたわんで揺れる振動を感じた。
爪先立ちとはいえ、ほとんど宙吊りの状態でさほどの違和感は感じなくなっていたが、身動ぐ度に深く呼吸する度にロープが交互にたわんで微かに軋みながら体が締まる。
「ひぃ…あうっ…」
股を渡したロープを横に擦りあげられて、圧力から解放された無毛の性器を揉み上げるように開かれたのだ。
あらかじめ予期していたが、いざされてしまうと羞恥心が隠せない。
指先は局部の裂け目に沿って撫であげて、ゆっくりと包皮から敏感な部分を剥き出している。
ヴゥーン…ジジジ…
ジジジジ…
硬い殻に包まれた振動をそこにあてられた。
少しつけて、また離して強く押しつける。
「どんな気分ですか?」
「はぁ…あぁ…痛い…」
痛い?…それは実際の感情とは違う回答だった。
正直な話。私もこれを愛用しているから刺激には体が馴染んでいるはずだけど、ロープを恥骨と大腿骨の間にずらされて、瞬時に痛みを錯覚したのだろう。
「つらいですか?」
私は頭上を仰ぎ、顔を左右に揺すった。
まだこれぐらいで音をあげてしまうまいと思ったのと、もうひとつは脳裏に何か深い感情が蘇ったからだった。
ヴゥーン…ジジジ…
離されて、当てられるごとにその感情はザワザワとうねりを纏ってひしめきだす。
目隠しの中で暗闇に揺れる四角い枠が目の前を左右に揺れる。