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揺らぐ
【SM 官能小説】

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揺らぐ-11

追記

私は前述したように、ある大学病院に勤務する医師だった。
傾向としては年配の患者に多いが患者に心細さから、特別な感情を抱かれる事は決してめずらしくはない。

ところがある患者の例をきっかけに私は院内でしばしば、吐き気と目眩を感じて倒れるようになった。

パニック症候群…

できる限りの手は尽くしたけど、あまり目覚ましくはなかった。
私は中学二年生の時から大学に進学するまで、実の父親と性交渉を持っていた。
これは誰にも言ってはいないが大学二年に父が他界する直前まで続けていた。

どうしてそうなったのかきっかけは今でも思い出せないままだったが、父は時折、私の寝室に忍び込んできた。
私も着替えを持っていくふりをして、入浴中の父にフェラチオしたのを鮮明に憶えている。

ともかく、私たち父娘は異常な愛情で結ばれていた。
そんな歪んだ関係を私はいつも否定していながら、父の愛撫を待ちこがれ快楽に身を投じた。

そんな性的なトラウマが深く根づいていて、いつしか忘れた頃にその根が精神を壊し出したものだと自分ではすでに認識していた。

医科大学の友人と学会で偶然会って、少し交流を暖める機会があった。
彼は面白半分に自分の知人に「SMと深層治療の融合」について研究してる者がいるという話をして、私はその被験者を買って出たのだった。


結果として、私はトラウマを克服できたと思う。

しかしながら、心に根付いてしまったセックス中毒と「縛られて複数の男に弄ばれたい」願望を今後どう処理すべきかという、厄介な問題を抱えながら…
差し障りのないセックスの相手探しと器具を使って緩和する毎日が今でも続いている。



ー完ー


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