揺らぐ-4
足は地に着いているけど今度は束ねた手首だけで吊り上げられているので宙吊りのさっきよりも返って重みを感じる。
「次は辱しめを与えます。
耐えられなくなれば、どうぞ言ってください。」
ピシッ！ピシッ！
「あぁ…うっ…」
また痛みが飛んできて、反射的に上体を反らした。
ロープに包まれているから直接受ける痛みの面積は狭いものの、さっきみたいに体を屈めた態勢より、立ち上がった形になっただけ打たれる面積が広くなった。
特にお尻なんかはロープが一本挟まっているだけで丸出しになっている。
火照るお尻をゆっくりと撫でる手の暖かい感触があった。
「あっ…」
ある程度の予期はしていたがその手は性器の狭間に伸びてくる。
お尻の隙間から性器の亀裂に沿って、一本のロープが渡してあり、直接触れる事はできないのだがわずかにはみ出した陰唇を撫でられた瞬間、私は思わず声を漏らして体を軋ませた。
下腹部に潜り込んだ手がそこに何かを塗り広げると、今度はぞりっ…ぞりっ…と陰毛を剃り始めたのだ。
剃刀の刃が性器の周辺の皮膚を拡げながら、丁寧に剃りあげていく。
露出度の高い水着を着けるために、たしなみとして陰毛を剃り上げてしまうという話を聞いた事はあるけれど、私にはそんな習慣はない。
他人の手によって、こうして陰毛を剃り上げられてしまうと恥辱を感じる。
視覚を遮られ、あるいは緊縛と痛みによって感じやすくなるのだろうか？
「あなたには陰部のすぐ横に小さなほくろがあるそうです。
ご存知でしたか？」
「し…知ってました。」
「ご自分の性器をよくご覧になる？」
声の主と私の近くにいる人物とはまた別の存在なのか、近くでくすりと笑う声が漏れて聴こえた。