Purple wedding-9
「・・・正直自分の不甲斐なさを今更に実感しているよ。
何故もっと君がワッカに盗られる前にがっちり掴んで俺の恋人だって大きな声で皆に宣言できなかったのか。
そうすれば、“こんな気持ち”にもならず、“こんなこと”をする必要もなかったのに・・・・・」
「ルールー・・・・」
「ダメ、ダメ・・・・んんっっ!!」
迫ってくるキッパの気迫に押される形で部屋から逃れることもできずに後ずさりしいつしか鏡の冷たい感触が背中に触れる。次の瞬間生暖かい鼻息と共に、眼前に迫ったキッパにその薄紫色の唇を塞がれるルールー。
思わず目を見開き胸を押し退けようと両手を伸ばそうとするが、
予想以上に強い力はルールーの抵抗にはびくともしない。
――――チュッチュウッ・・・・クチュンチュウ
「んんっ、んっ、ンウッ・・・・・ンッ!!」
その間にもキッパの舌は荒々しくルールーの口腔内を犯していく。
実はキッパとの口付けはこれでも数回経験はしているのだが、
彼の鼻息と熱気を間近にし、
ルールーの中での理性は次第に失われつつあった。
彼女自身、既にワッカ以外の男に身を任せてしまっていたせいか、
こうしてキッパに迫られてしまうと、最後の一線は難なく越えられる結果となった。
いや、肉体関係は持たなかったかつての恋人の荒々しさを賞味してみたいというルールー自身の心の奥底に眠っていた欲望も影響しているのかもしれない。
少なくとも、
ルールーの口からは拒絶の言葉は漏れても、
思考は既に真っ白になろうとしていた。
気づけばルールーの身体は腰付近に回されたキッパのがっちりした両腕に抱えられ、鏡の前から着替え用の小物や化粧品が置かれていた机の上に座らされる格好となった。
そして彼女の両足の間にキッパの身体が挟まっている格好になる。
この間も互いの唇と舌先はかするようにして幾度も触れあっていた。
ルールー自身そちらの動きに没頭しているせいか、抗う気持ちはぼんやりと消えてしまっていた。
既に彼女の両腕は自分よりやや背丈のあるキッパの首に巻き付けられ、
彼の次の動きに順応しようとしている。
そして彼の左手がルールーの胸元に伸び、
そのブラジャーを引き剥がすようにして床に放り投げる。