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アラフォー由美子の初体験
【その他 官能小説】

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アラフォー由美子の初体験-8

9.
 博さんに肩を抱きすくめられて、仰向く唇に、博さんの唇が重なりました。私は仰け反る身体を支えようと、博さんの背中に腕を廻しました。
 フツフツと、幸せが胸に込み上げて来ます。本当に新婚旅行見たい。

 もうこの前みたいに、膝がガタガタと震える様なことは起きませんでした。
 何年も愛し合った末に、漸く結ばれる、そんな気分でした。さっきフロントで、ミセス・タナカと呼ばれたとき、ああ、私はこの人の妻なんだと、胸が震えました。

 舌が絡んで、唾が口に満ちます。とても甘い。どのくらいそうしていたのかしら、息が苦しくなって来たので、唇を外して唾を飲み下します。
「食事の前に汗を流そう」

 博さんが、私の胴に腕を廻して言います。
「どうぞ、博さん、お先にお入りになって・・」
 私はバスローブを取って、手渡しました。

 博さんがバスルームに姿を消すと、スーツケースからビニール・シートを取り出してベッドに被せ、その上をタオルケットで覆います。
(これで大丈夫、私はこの上で、あの人の妻になります)

 バスルームから、シャワーのお湯の弾ける音が漏れてきます。
ベッドに被せたタオルケットが、無性に愛おしく、その上に腰を下ろすと手のひらで撫で回してしまいました。

 博さんが出てきたので、入れ違いにバスルームに入ります。
 持参した愛用の黒砂糖石鹸で、念入りに性器の手入れをします。クリトリスも陰唇も興奮しているのか、いつもより肉厚が増して、つやつやしています。

 ここにあの博さんのモノが入るのかと思うと、不思議な気がします。
「お前達、がんばるのよ」
 小さな声で囁き掛けながら、上がり湯を注ぎます。


10. 
 レストランの窓の向こうは、真っ暗で何も見えません。
「東海岸は朝日が奇麗だけど、夜は真っ暗で全く愛想がないねえ」
 博さんが、私の顔を見詰めながら微笑み掛けます。

 95年物の、琥珀色のシャドネーで乾杯をしました。山火事の多い年は、ワインが美味しいんだと、博さんが説明して呉れました。95年は、シドニーが周辺の山火事で、煙に包まれた年です。

 冷えた液体が、火照った喉を心地よく流れていきます。フルーティーな、オーストラリア・ワイン特有の香りが、喉から脳に染み込んで行くようです。

 傍らのワゴンの上の食材に、シェフがブランデーを注ぐと、パッと炎が上がります。
 シェフは炎が収まるのを待って、料理を皿に取り分けて呉れました。

 フランス風、シーフードの鉄板焼きとでも申すのでしょうか、伊勢えびや貝柱、イカに白身の魚等、ジューシーに焼けて、舌の上で旨味が蕩けます。
「私、幸せです。こんなにして頂いて・・」

「僕にとっても、一生忘れられない想い出にしたいんだ。結婚出来ないのが分かっているのに、・・そう思うとなおさら由美子さんのことが切なく、愛しく思われて・・ごめんね」
 博さんの目が潤んでいます。私はいつのまにか博さんの手を取って、頬に押し当てていました。

 部屋に戻ると、博さんが、冷蔵庫からビンを取り出してカクテルを造ってくれました。
「ジントニックだ、リラックスするから一杯飲んでおいたほうがいいよ」
 
 枕灯一つを残して、明かりを消しました。
 窓の向こうに、真っ黒な海と、それを覆う満天に星を散りばめた空が見えます。

 博さんが、ブラウスのボタンを、首元から一つ一つ外して行きます。
 私はどうしたらいいのか、ぼうっと立ったまま、なすがままになっていました。

 パンティが、腿を伝わって、下に降りていきます。私は、全裸で立ち尽くしています。

 博さんが、自分の着ているものを脱いで行きます。上半身が裸になると、ズボンとブリーフを一気に外しました。



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