友達以上、恋人未満。-3
「私、東堂クンと上手くやってるよ。」
「上手くやってる、ねぇ……。」
いつものフォーティーワンアイス店で、菫とアイスを頬張る私。ダガ菫の表情は何処かこわばっており。
私が東堂クンと上手く付き合えていないと申す、そんな事は。
「彼の事が嫌いなら、水族館何て一緒に行かないでしょ!」
「そんなの、ただ何となくついていったダケでしょ?」
「楽しいからついて行ったのっ!」
「…へぇー、じゃー楽しかったんだ、彼との水族館…。」
「それは、……も、勿論!記念撮影だってしたもんっ!」
楽しかった…、という事に関して胸を張って言い返せない私。そんな私の動揺を見逃さなず、私の本音を察した菫は。
「彼も溜まったもんじゃないよねー、楽しく盛り上げよう盛り上げようと必死にリードしてるのに、当の本人はつまんなそうにして…。」
「!…んだとコラァッ!」
「違うって言い切れるのっ!?」
「それは……。」
菫の嫌味に、思わず頭に血が昇り、席を立ちテーブルを叩くも、そんな私を一瞬で静止するような一言。
「嫌ならついてこなきゃ良いのよ、まぁ向こうは悪意がなく、つまらないならそれで彼も
納得するでしょうに…。」
「そんな、別に嫌とかそういうんじゃ。」
そうだ、彼との付き合いが不快な訳ではない、ただ。
「物足りないんでしょ?東堂クンがどーこーじゃなくて。」
「う、うん…。」
思っていた事を、先に言われてしまった。
「それでも同じことよ杏、悪い事は言わない、彼と別れて、そんな中途半端な気持ちじゃお互いにとってマイナスよ。」
「簡単に言わないで!」
別れるって、付き合ってるの?私達。まぁ水族館に男女二人で行って置いて、ただの友達と言い張るのも無理はあるが。
でも交際何かしてない!そんな事したら彼との約束は?しかし別れると言われて焦る自分が居るのもまた事実。
「友達以上、恋人未満。誰がそんな上手い言葉を生んだんだべな?…そんな都合の良い関係、いつまでも続かないよ、東堂クンだってそろそろ堪忍の尾が切れるでしょうに。」
「未満じゃないっ!以上だっ!…彼とは。」
「杏…。」
つい見栄を張る私の悪い癖。そこまでグダグダと嫌味を言われるのであれば、白黒ハッキリつけようじゃないか!
無論そうなれば交際していると認めざるを得ない。…きっと天国の彼も許してくれるだろう……。私は都合の良いように解釈し。
私だって!