お仕置き-6
獲物をじっくりと追いつめるかのような口調で話し始めた田宮。
「問題は今までそんな愚行を見せていなかった梨田らがどうして急に変わってしまったかと言う事だ。それを解明しなければまた同じような過ちが繰り返される事になる。だから私は梨田君らにその理由を聞いたんだ。」
「…」
田宮の雰囲気から何か嫌なものを感じとった奈緒は不安そうな顔をしながら田宮の視線を見つめた。
「そこで出てきたのが君の名前だ、松 上君。」
「えっ…?」
本題に入ると言われた後に出てきた自分の名前にドキッとする。やはり梨田との行為も田宮の耳には入っているんだ、そう思った。
「彼らの理性を狂わせたのは、どうやら君らしいんだよ。」
「えっ?わ、私…ですか…?私、何も…」
梨田らが優美らにそのような行為を働いたのは奈緒が梨田に抱かれる以前の事だ。梨田らが理性を狂わせたのが自分の訳がない、そう思った。
「梨田君らに話を聞いたところ、性欲が抑えられなくなったのは君が原因だと言う証言を得たんだ。」
「え…?ど、どうしてですか…?わ、私…思い当たる節がありません…」
田宮はゆっくりと立ち上がり奈緒に歩み寄りながら言葉を並べた。
「君を見ているとどうしても性欲を我慢出来なくなってしまったと言う事だ。」
「な、何ですかそれ…。私、彼らを刺激するような事、してません。服だって地味にしてたし…。」
「そうじゃないんだ。服とか素行とか、そんなんじゃないんだ。言ってみれば、匂い…、かな?」
「に、匂い…」
「そう。君は知らず知らずの内に男を惑わす匂いを発しているようだね。フェロモンとも言えるか。君が発しているフェロモンに梨田君らは理性をやられてしまったと言う事だ。」
「そ、それは自分ではどうしようもない事じゃないですか…。」
フェロモンを調節出来る人間などいない。しかし田宮の言葉は奈緒を納得させるだけの力を持っていた。
「君の欲求不満が原因だ。君はセックスに餓えている。男が欲しくて欲しくてたまらない、その君の欲望が体にフェロモンを出させているのではないかと思うが?その匂いを感知した梨田らは理性をやられてしまった。私はそう思うが?」
奈緒の背後に立った田宮。
「わ、私…欲求不満なんかじゃ…」
「まぁ、僕には分かり得ぬ事だ。君が違うと言えば違うのかもしれないな。しかし、フフフ」
田宮は奈緒の背後から歩き出し新しいディスクをセットした。
「まさか梨田が君について何も証言していないだなんて思ってないよね…?」
「えっ…!?」
心臓が止まりそうなぐらいドキッとした。やはり梨田との行内での行為は記録されているようである。そんな映像を前にしたら奈緒は全てを否定できない。なぜなら奈緒は梨田との行為に女を全て出し切り燃え上がったからだ。見なくても分かる。映像に映るのは紛れもなく欲求不満の人妻がセックスに喜ぶ姿だからだ。
とうとう映像は始まった。そこには疑いようのない自分の露わな性が映し出されていた。奈緒は顔を真っ赤に染めながらその映像を見つめていた。