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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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「花。花は俺の事、どう思ってるの?」
え・・・・
「今日、あいつに俺たちはデートじゃないって否定したよね」
・・・・・
「花にとって俺は、なに?」

お腹で両腕を交差させて、ギュッとあたしを抱きしめる。

「せっかく夢がチャンスをくれたけど。やっぱり花にとって俺はただの幼馴染?」

え・・・夢ちゃんにチャンスをもらった?

ゆっくりと片手が上に上がってきて
あたしの顎をとらえた。

「花。好きだよ」

「うそっ!」
「え?」

あたしを抱きしめていた腕が一瞬緩んだ。
「嘘だよ。駿ちゃんが好きなのは、夢ちゃんでしょ!」
「は?夢?」
「そうだよ。ずっとずっと夢ちゃんが好きなんでしょ?
あたしは・・・あたしだってずっと駿ちゃんが好きだった。
好きな人が誰を見てるかなんか、分かるよ!」

「はな?」

「夢ちゃんがチャンスをくれたのはあたしにだよ!
あたしが駿ちゃんを好きな事を知っていたから。
駿ちゃんが夢ちゃんの結婚相手を紹介したって話を理由に転がりこめって。
同居を同棲にしちゃえって!
でも、あたし、魅力ないから。同棲にするのは難しいよ・・・」

そこまで言って泣けてきた。
いつも活発な夢ちゃん。
まるでそこだけ花が咲いたように華やかな存在だった。
あたしは自分の名前が嫌いだよ。
夢ちゃんこそ、花って名前がよく似合う。

あたしは大好きな夢ちゃんにいつもコンプレックスを抱えて過ごしてきた。
夢ちゃんはそんなあたしにいつも気づいていて。
花は可愛い。
花、大好き。っていつも魔法の呪文のように言ってくれた。


「え?夢がチャンスをくれたのは俺に、だよ?」





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