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夜羽球の会
【調教 官能小説】

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入会前-1

1 入会前

 タツミは高校時代、インターハイでバドミントンの大会に出場した経験のある実力者であったが、大学に入ってからは上手さや体力などを競い合う真剣勝負は引退し、お遊び気分で羽と戯れることができるバドミントンサークルに入ろうと思っていた。
 大学にはいくつかバドミントンをするサークルがあったが、その中でひとつ気になったものがある。サークル名を「夜羽球の会」という。大学情報誌に書いてあった小さなサークル紹介には、夜中に体育館にこっそり忍び込んでバドミントンを楽しむサークルだと書いてあった。
 どうにも、この「夜中」というのが引っかかる。他のサークルは遅くても夕方までが活動時間なのに、体育館の予約が取れないわけでもなかろうに、不定期で夜中に活動をするというのは不可解だ。これは何かあるのかと思って、タツミはこのサークルの新歓飲み会に行ってみることにした。

 新歓飲み会には何人かの新入生が来ていた。歓迎をする側の先輩たちは十人には満たないほどであった。そのほとんどが男で、ただ一人だけ女の先輩が混じっていた。
 新入生は各々先輩たちと酒を飲みながら談笑していた。しかし、先輩たちは単位や試験の話、バイトの話など色々なことを教えてくれたが、どうにもサークル自体のことについては触れようとしない。やがて、気になったのであろう、新入生の一人が詳しい活動内容を訊いてみたが、漠然とした答えしか得られず、話を反らされてしまった。
 唯一先輩の方からふってきたバドミントンに関わる話と言えば、新入生にバドミントンの経験者はいるのか、という質問だけであった。経験者だと名乗り出たのはタツミだけであった。これ以降、先輩たちはバドミントンに関わる話をしようとはしなかった。

 そんな感じで新歓飲み会は終了した。一緒に帰った新入生と話をしてみると、やはりサークル自体に関する情報をほぼ得られなかったことに不信感を覚え、入会しようというつもりの者は誰もいなかった。タツミにしてもそうで、やはりあの様子は何かがおかしいという気がしていた。

 その翌日、タツミの携帯に夜羽球の会の先輩から着信があった。タツミは不審に思いながらも、それに応答した。聞いてみると、どうやら入会の誘いのようだ。もう別のバドミントンサークルにあたりをつけていたタツミは、サークルの活動内容があまりよく分からず興味をもてなかったという理由を述べてそれを断ろうとした。
 すると、先輩は妙なことを言い出した。
「ああ、活動内容ね。活動内容は、実はバドミントン経験者にしか言わないことなっていてね、今日の夜7時に昨日の居酒屋に来てくれれば、詳しいことは教えてあげるよ」

 どう考えても不審である。経験者だけを集めようとしているみたいだが、サークルなのに強い人材を集める必要はないし、何よりそれは活動内容を未経験者に隠す理由にはならない。
 これは必ず何かがある。好奇心の旺盛なタツミは、そこに妙な魅力を感じ、再び夜羽球の会の先輩と会うことにした。




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