このキラキラの為に生きている-3
一瞬、アーウェンは声も出ずに、夢中でラクシュを抱き締めた。
「ん? アーウェ……?」
「……ラ、ラクシュさん!! ラクシュさんラクシュさんラクシュさんラクシュさん!!!!」
力を込めすぎないようにしなければと思うのに、どうしても強く抱き締めてしまう。がむしゃらに唇を重ね、何度も角度を変えて貪りつくした。
「すみません……俺、もう我慢できない……ラクシュさんを、思い切り抱かせてください」
「ん……」
ラクシュが小さく頷き、眩しそうに目を細めた。
「アーウェン……すごく、キラキラ……ゴーグル、取って、くる」
そのままひょいと腕から逃れそうになったラクシュを、アーウェンは後ろから必死に抱きとめた。
狼の耳と尻尾はとっくに飛び出て歓喜を示し、瞳には虹彩が浮んでいる。
「待っていられません……眩しいなら、こうしますから」
タオルをラクシュの目元に巻きつけて覆い隠し、しっかりと端を結んで目隠しをする。
「ん、でも……これ、見えない……」
少し不満そうなラクシュを抱きあげて、耳元で囁いた。
「じゃぁ、ラクシュさんがどうなっているか、俺が全部言って聞かせますから」
ラクシュを抱いて二階の寝室へと駆け込み、寝台に組み敷いた。
ドクドクと血流が耳の奥でうるさく鳴っている。理性が飛びそうなほど興奮しているのに、衣服を引き裂きたい衝動は起きなかった。代わりに、仰向けに寝たネグリジェの胸元に、小さな突起を見つけて指で摘む。
「っ、ん」
小さな声がラクシュからあがり、犬歯のわずかに伸びた口元が、勝手にニヤけた。
片方を衣服の上から指先で挟んで嬲り、もう片方を口に含む。湿った布越しに尖った感触を楽しみ、息を吹きかけながら囁いた。
「ここ、俺が触る前から、硬くなっていたみたいですけど?」
「……っ、っ……ぁ、あ……」
「直接触って欲しいんですか?」
布の上から軽く歯を立てると、組み敷いた身体が細い悲鳴をあげて仰け反った。
コクコクと懸命に頷かれる。
「アーウェン……脱がせ、て?」
「……はい」
素直に告げられる誘惑の言葉に眩暈を覚えながら、丸い木のボタンを一つづつ外していく。
薄っすらと蒸気した肌が露になり、薄桃色の突起を頂点にした胸が、浅い呼吸を繰り返している。
小さな突起を舌で舐めると、ヒクンと可愛らしく震えた。
「ラクシュさんの胸、すごく可愛いですよ。膨らんで、どんどん赤くなってくるし……」
乳首を嬲りながら、もじつかせている脚の奥に手を伸ばす。膝裏に手をかけて左右に大きく開かせた。
「こっちも、何もしてないのに濡れてるじゃないですか。これ、お風呂のお湯じゃないですよね?」
赤みを帯びてほころんだ花を指でつつき、とろみのある蜜を掬い取る。濡れた粘着音を響かせると、目隠しの下で頬を蒸気させたラクシュが頷いた。
「ん……きみに、胸……触られたら……そこも、きもちよく、なった……」
抑揚のない声にも熱い吐息が混じり、蕩けそうな色を帯びている。
率直に快楽を認めるラクシュに、やはり羞恥責めは無理のようだと、アーウェンは内心で苦笑した。
しかし、ストレートに快楽を訴えられ、アーウェンで感じると素直に告げられる方が、万倍も興奮する。
ぬかるみに指を差し込むと、離したくないというように吸い付いてきた。
「ん、アーウェ……もっと……」
ラクシュの両腕が宙をかき、アーウェンを探りあてた。白い手が首にまわり、引き寄せられる。
「はい。ラクシュさんが好きなこと、いっぱい教えてください……」
指で熱い内部をかき回すと、耳元で悩ましい吐息を立て続けに吐かれた。花芽を押すと抱きつく腕に力が篭り、短い嬌声が漏れる。
「ん、ん……そこ、きもち、い……けど……」
戸惑うように、首を傾げられる。
「アーウェン……早く、君が、欲しい……中に……」
細い足が腰に絡みつく。
「……はい」
アーウェンは掠れた声で返答をし、下穿きから痛いほど張り詰めた雄を取り出した。硬い熱をすぐにでも埋め込みたかったが、ラクシュの手をとって触れさせる。
手の平は汗ばんでいても、たぎった雄にはひんやりと心地よく感じられ、思わず呻き声が漏れた。
「ラクシュさんが、入れてくれませんか?」
両腕で身体を支えてラクシュに覆いかぶさり、雄がちょうど入り口に当たるように腰を落とす。
「ん……?」
ラクシュは首をかしげたが、すぐに了解したようで、蜜壷の入り口へと雄の切っ先を導いた。
濡れた花弁の合間に、ゆっくりと先端を埋め込んでいく……。