さ-7
「しゅんちゃぁぁぁ・・・・んっ」
ねっとりと指をあたしの中でかき回されて
初めての感覚に怖くなる。
「しゅんちゃ」
「花・・・」
その気持ちの良い感覚に怖くなって
ぎゅっとその腕に抱きついて目をつぶれば
駿ちゃんはゆっくりと指をあたしの中から引き抜いた。
息が荒くて、そんな自分にビックリして。
「花。初めて?」
駿ちゃんの少し驚いた声に恥ずかしくなったけど
素直にコクンとうなづいた。
「あ。そうか。ごめん」
その、ごめんはなんなのか。
駿ちゃんはぎゅっとあたしを後ろから抱きしめて
「でようか」
ともう一度首筋にキスをした。
2人と付き合ったけど。
駿ちゃん以上に好きにはなれなかった。
駿ちゃんを忘れたくて。
叶わぬ思いを忘れたくて付き合ってはみたけど。
そんな中途半端な気持ちで付き合った人と続く訳もないよね。
素直にバージンだと告げた後の「ごめん」は
どんな意味なんだろう。
夢ちゃんの代わりにしてごめん。かな・・・
代わりは所詮、代わり。なんだよね。
その夜、駿ちゃんはあたしの部屋には来なかった―――