の-3
「お礼に俺は花に彼氏のようなことをしてやりたい」
ど、どんなことよ?
「こんな夕飯まで作ってもらって。彼女のような事をしてもらってるから」
えええ?
「だから、俺が花に彼氏と同じような事をする義務がある」
駿ちゃん、ゴーイン・・・
そんな駿ちゃんの意見に夢ちゃんは苦笑いをして
「それもそうね」
なんて納得してる。
これって納得するような話だったぁ?
「じゃぁ。駿は花を彼女として扱ってね!」
「分かった」
なんだか、訳の分からない方向に話がまとまろうとしている。
「じゃぁ私は帰るわ」
そう言うと嵐のように夢ちゃんは帰って行った。
び、ビックリした・・・
「はな。花は俺が彼氏じゃいやだ?」
話の方向が見えない。
「駿ちゃん」
「俺は花を彼女として甘やかしてやりたいよ」
それは、夢ちゃんの代わり?
夢ちゃんを吹っ切るためなの?
それでも、優しく笑う駿ちゃんの彼女になりたくて。
「駿ちゃんの彼女になりたい」
そんな事を口走っていた。
「ん」
満足そうに笑う駿ちゃんの笑顔はあたしには上手く理解できないけど。
それでも、この立場は手放したくない。
「おいで」
そう言われて何の事だか分らなかったあたしの手を引っ張って
駿ちゃんはあたしを膝の上に載せた。