トモキ 2nd Story-18
唇を離すとハツミが潤んだ瞳で俺を見つめ、口を開いた。
『トモキ、………。』
俺の名前を呼んだ後、ハツミは声には出さず口の動きだけで俺に何かを伝えようとした。それは俺の妄想や勘違いでなければ《好きよ》と動いた様に思えた。
俺たちは冷める様子のない熱りを沈めるために、再び互いに体を求めあった。
さっきのハツミの口の動きは俺に何を伝えたかったのだろう。もし、俺が思った様に《好きよ》と言っていたのなら…。
俺はまだハツミに気持ちを伝える事が出来ていない。ハツミを心から愛しているからこそ、想いがが届かなかった場合を考えては言い様の無い恐怖に襲われる。
だが、このままのハッキリしない関係を永遠に続ける事は出来ない。
―伝えよう。
体も言葉も心も全部使って、俺の想い総てを。ハツミへと。
俺は今にも溢れでそうな程のこの愛しい気持ちを表現する様に、ありったけの愛を込めてハツミを抱いた。
―間違いなく愛している、ハツミを。
ここまで誰かを愛したのは初めてだ。
この初めての気持ちに俺は振り回されっぱなしだ。だが無器用にでも必ずこの想いを伝えよう。