無謀2-2
身動きできないよう奈津子の体に手足を絡ませる。動かせるのは首くらいだ。その首をねじってもう一度唇を吸おうとしたが逃げられた。無理矢理奪うことは可能だが味気ない。唇を大きく開いて唾液のたっぷり乗った舌を積極的に絡ませてこなければ田倉の悦びは半減だ。小さい舌打ちは奈津子にも聞こえたはずだ。背を丸め、白いうなじに唇を押し当て、塩辛い部分を探す。
指先で胚芽を探り当てると奈津子がビクン、ビクンと震えた。顔を覗き込むと上気した顔を背ける。執拗に指でこねる。
不規則な呼吸を繰り返す奈津子の手をつかんで指を広げる。思ったよりすんなり開いたので笑いが込み上げた。躊躇するような素振りを見せたが、ペニスを握らせるとおおよそ従った。奈津子の手の甲に自分の手を被せたままギュッと握らせた。手もろとも上下にこすり始めると、ため息が震えた。そう、これが欲しいに決まっている。そうなるよう体を作り替えたのだから。
センシティブな部位をこねながら内部に指を挿入するような動きに変えていく。横を向いてこらえているが、指の動きに呼応して腹筋が痙攣している。自発的に握るのを確認してから押さえていた手を離す。その手で腹を撫で回し、もう片方の手を尻の方から入れて陰部を刺激する。身をよじるが許さない。ひくひくする腹を優しく撫でながら耳たぶを甘噛みしてやると弱々しくかぶりを振った。急所をぐりぐりと撫でさする。声をあげず身悶えする姿がいじらしい。
「ずいぶん湿っているような感触が、ここ」
首を振って神を揺らす。
「中はもう水浸し」
耳の穴に舌を差し込んで囁いた。
「ち、違います、あッ」
今度は本当に指を沈めていった。つま先立ちになり腰を引こうとするが、手で腹を押し返して尻を突き出すような格好にしてしまう。尻側から入れてある指先をストッキングの上からめり込ませていく。奈津子は悲鳴をあげて身をこわばらせた。邪魔な化繊を破いて、すぐにでも生の洞窟に指を入れたい。シーツを濡らすまで指で責めたい。
耳やうなじに情熱的な口づけを与え続け、指先を回転させながらこじ入れると、さらに熱気を感じる。少し拘束を緩めると尻から入れてある腕を奈津子の手が掴んだ。強く握ったり緩めたり、強弱が著しい。体が熱くなっている。そろそろペニスが欲しいはずだ。顔を覗き込む。悟られたと思ったのか、恥じらうようにうつむいた。
勃起したペニスを奈津子の手の中でゴリゴリさせながら、腹を愛撫していた手でもう一度胚芽を探り当てる。めり込ませた指先と呼応させる。前と後ろから指先で責められることに強い恥じらいを見せる。それでも乱れぬよう息を殺す様子がいじらしい。そう、同時責めが好きなのだ。そう体に教え込んだのは自分なのだから。口では違うと言うが体は正直だ。
奈津子はいつもより強めの体臭を放っている。鼻孔で感じるたびに小さな手の中でペニスが脈打った。これを静める方法は一つしかいないことは奈津子も分かっている。田倉はそれを始めるため、体をヒョイと抱き上げた。
「リビングはあっちですね」
間取りはおおよそ分かっている。