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冥土の土産
【SF 官能小説】

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ユマ-1

 俺は商店街のイベントの件で担当組織員として町田宅に訪れた。そこの洋品店は目鼻がはっきりした美人若奥さんがいるところだ。ユマと言って何度か会ったことがある。まるで童話に出て来る王女さまのような可憐な女性だ。
 チャイムを鳴らすとユマが出て来た。何か小奇麗な服を着てきちんと化粧をしていた。
「海野さん、どうぞおあがり下さい。今日は主人が泊りがけで出てますので、誰もいません。」
 最初にそういうと俺が上がった時にドアの内鍵をロックしてチェーンをかけた。そして俺の方を振り返りながらちょっと微笑んだ。
「ちかごろは物騒ですから、昼間でもきちんと施錠しておかないと」
 玄関に子ども達の靴がないので、外に遊びに行ってるのかと思った。
「ああ、今朝お爺ちゃんとお婆ちゃんが迎えに来まして、連休中田舎でお泊まりになるんです。キャンプとか色々楽しいことがあるようで」
 俺は美人奥さんとたった2人きりで密室状態の家で打ち合わせをすることになったのだ。
 この日俺は打ち合わせが終わると逃げるように帰って来た。その後何日も苦しんだことを覚えている。ユマはそれほど魅力的な人妻だった。
 最初に紅茶が出された。少しアルコールの香りがした。
「あら、少しブランディを垂らしたんですよ。XOです。よかったら後でごちそうしますわ」
 いえいえそれは。俺は手を振って遠慮した。でもそれに対してユマはにっこりと笑うだけだった。
 それから打ち合わせになった。2人しかいないのだから当然なのだが、ユマは俺の目をじっと食い入るように見ていた。眉も目も本当に美しいのでじっと見つめられると幻惑されるようで落ち着かなくなる。
「海野さんは今日はとてもお疲れのようですね。」
 そう言うとほぼ打ち合わせが終わりかけた頃、ユマが立ち上がった。そして紅茶をまた持ってきてくれた。
 俺は一口飲んだがとてもアルコールが濃かったので驚いた。あれ……これブランディを入れすぎですよ。そう言うとユマはにっこり笑って首を振った。
「そんなことありません。海野さんは普段無理をしすぎです。いくらお仕事と言っても他人の為に身を削って動きすぎます。たまには気持ちを緩めないとお体を壊してしまいますよ。」
 そして俺の手を両手で包むとカップを持たせた。
「その……緩める役を私にさせてくれないでしょうか?」
 そう言いながらユマは俺の手に手を添えてカップを口まで持って来た。俺はぐいっと飲み干した。頭がかーっと熱くなった。だが俺は頭を下げた。ごめんなさい。ユマさん、ご好意だけで……俺は決心が鈍らないうちに席を立って玄関に向かった。
 ユマは追いかけて来て玄関のチェーンを外し内鍵を開けてくれた。そして俺は玄関から出た。
 俺は回れ右をしてドアノブを掴み再び玄関のドアを開けた。ユマがびっくりして俺を見ていた。
「忘れ物ですか、海野さん」
 そう、忘れ物があります。それは貴女です、ユマさん。俺は内鍵を閉めてユマに抱きついた。
「あっ、海野さん。違います。勘違いしないでください。お酒を飲んでもらって気晴らししてもらおうと思っただけで、そんな積りじゃあ……」
 女の狡さは咄嗟に嘘として出て来る。これで自分が誘った訳ではないということになるのだろう。
 俺は欲しくて堪らなかったユマの唇を自分の口で塞いだ。ユマはもがいたが強い力で拒まなかった。なんの香水だろうか、とても良い匂いがした。
「駄目です。私には夫がいます。」
 何故そういう分かりきったことを口にするのだろうか。ユマさん、舌を出してみてください。
「えっ、舌を? こうですか?」
 武防備に舌を出したので俺はその舌に舌を絡ませて音を立てて啜った。
「あっ、これは「じゅるるる……つぅぅ……ずずずぅぅ……ぶしゅぅぅ」駄目……らめ……ぁぁぁ」
 俺は胸を探って乳房を揉んだ。ユマは次第に腰が抜けたようになり、上がり口の所でしゃがみ込んだ。本物のユマはとっくに奥の方に歩いて行ったが本人は気づいていない。


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