彼女を、支えるもの…-6
「ちっとも解ってないじゃないですかっ!」
満月の光が差し込み、騒がしかった病院が静寂に包まれた病室で一人、昼間加藤君に
言われた事を思い返す。
解ってない、だと?
ふざけるな
解ってないのはそっちの方だろ
僕は死ぬんだよ?
医者からも打つ手が無いと見離されて、あと5年もしたらこの世を去るんだよ、成人した僕の歴史が刻まれることは無い。
今更バタバタしたって意味が無い、あぁどうしてあの時死ななかったんだろ、どうして
あんな場所に大量の草何か、どうして僕の邪魔をするんだ。皆、皆何も解っちゃいない
上辺だけの励ましの言葉何か沢山だ、何が「本を借りてきただ」何が鉢苗だ。
僕は、棚の上に置かれた花に目線を移す。すると満月の光からうっすら照らし出される
水色の花を目にする。
「……綺麗、だなぁ。」
僕は、水色が大好きだ、美しい青空のようで、とても、とても。