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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼女を、支えるもの…-5

「健気ですねぇー彼女」

男子だけの病室で、先ほど彼女達が去って行った部屋のドアを見つめる加藤君。

「毎日お見舞いに来てるんですってね、偉いですよね」
「そんな、毎日来られても」
「何言ってんですかっ!」
「!!」

突然、テーブルを叩き、怒鳴りだす。

「一体彼女が今、どんな気持ちで見舞いに来てるのか、先輩は解らないんスカッ!?」
「加藤君?」
「僕、見たんですよ、彼女が暗い顔して、部活にも出ず、一人下校をする所を」
「先輩があんな事をして、僕も伊藤サンもどれだけ心配したか」
「それは解ってるよ、でも」
「ちっとも解って無いじゃないですかっ!今だって全然!。あまりに突然の事で、何が何だかさっぱり分かんないし、伊藤サン何て、怯えて体中震えてたんですよっ!?あの伊藤サンが、まるで普通の女の子見たいに」

本人居たら、殺されるぞ

「織原先輩は思ったでしょう!「どうして気づいてあげられなかったのか」「私は彼の事
解っているつもりでいたんだ」って。」
「こうして毎日病院に足を運ぶのだって心苦しい筈です!」
「でも、元気そうで」
「それはぁっ!先輩に余計な心配を掛けまいとそう振舞ってるだけです、そんな事も解らないんですかっ!」
「……それは」

「そんな彼女の気持ちを理解しようとも思わないで、ただただそうやって、「自分は駄目な人間だ」「自分は何て不幸なんだ」と、勝手な事ばかり言って」
「そんなぁ、僕は別にっ!」

「彼女の事嫌いになったんですか?」
「違うっ!杏は。」

「ここで大好きだって言ってもまるで説得力無いですよ、普通大好きな人の好意をことごとく踏みにじったりしませんからね」
「よく思い出して下さい、彼女と過ごした日々、そしてよく考えて下さい、彼女が自分にとってどういう存在かを……」
「加藤、君」

まさか彼にここまで責められるとは、だが僕に説教をする彼の目は真剣その物。


「たっだいまぁーっ!」

この重苦しい空気を切り裂くように、女子達が水を汲み戻ってきて。

「あぁお帰りなさい二人とも」
「どう?彼に異常は?」
「あぁー、大丈夫っスよ、ねぇ先輩!?」
「え、あぁうん、大丈夫」

先ほど怒ってた彼とはまるで別人、声のトーンが「別に何でも無い」と言って居るようで
僕も取り合えず口裏を合わせた。

「そっか、それじゃーまたね絆、明日も行くから、本読んでね…」

僕は返事をしない。
 加藤君がジッと僕を見つめ、目が「返事しろよっ」と訴えていて、それでもそのまま
 3人で病室を後にした。


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