決意-2
何て、酷い夢だ…。
着ているパジャマは濡れ、ベットも汗でびっちょり、その悪夢がどれだけ恐ろしいかを
物語っていた。
「ちょっと、出掛けて来る。」
玄関で、外支度をした私は、母に声を挙げ、私はある場所へ向かう。
出入りの少ない、ごく普通の地元の病院。私は顔を上げ、彼が生死の境を彷徨っているであろう、病室のある2階を見つめる。
そして、暗い表情で、地面に視線を置き、普段縁の無い、病院へ向かう。
彼は今、どうしてるだろう?もし意識を取り戻したのなら、私は、私は……。
しかし、そんな私の想いを他所に、彼の病室のドアに手を掛けるや否や、私は目を丸くする。
「えっ?」
ベットで、眠っているであろう彼の姿は無く、花瓶がポツンと一つ置いてあるだけで、清潔感溢れる空っぽのベットがそこにあり。
まさか、いやいやきっと病室を間違えたんだ、慣れない場所、落ち着きの無い私だし。
恐る恐る、ルームプレートを確認する為、退室するも、そこで目にした名前は、私の都合の良い勘違いを否定するもので。
するとそこに、彼の病室に入ってくる、看護師を見つけ。私はすかさず彼の身に何があったのかを訊ねると。
彼の死を否定する事無く、少々涙ぐみ、病室を後にして……
まさか
彼が飛び降りた後、すぐに救急車に運ばれたものの、意識は全く無く医者からも生存は
厳しいとか、何せ三階から飛び降りたのだから。
やっぱりあれは、正夢、だったんだ。