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吉原昼景色
【歴史物 官能小説】

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第二話 黒相手-4

そんなことが少し続いていたかと思ったら、いきなり霧橋がのけぞり、咳き込んだ。その唇の端からは白くどろりとしたものが垂れている。女の 唇が離れた黒魔羅の先からは精の迸りが二度、三度と弧を描く。客が暴発したのだ。しかし、その白濁液の量たるや瞠目するものだった。夜具 に飛び散った「どろどろ」は歓八が出す二倍以上だった。いや、花魁の口中に出たのを合わせるともっとか……。

「いやあ。物がでかいと出る量もすごいもんだねえ」

幇間の感嘆に背中の霧舟が応じた。

「口での時の発射で姉さんがむせるなんて初めて見たよ。よっぽど激しく、どっと出たんだろうねえ。ふふふ」

面白がる小娘だったが、異様な場面を目にして体温が上がったのか、歓八の背に密着している若い乳房と腹が、 じっとりと汗ばんできていた。

 思いもかけず出してしまった黒い客は、半身を起こしてばつが悪い様子だったが、そこは霧橋、慣れたもの。 「ようざんす、ようざんす。溜まっていたのでありんしょう」と言いながら布団の汚れと陰茎の残滓を懐紙で拭き取ってやっていた。それか ら、仕切り直しとばかり、黒い裸体の上に覆いかぶさると、男の乳首を舐め回しはじめた。意外な行為にとまどう客だったが、遊女の手が股間 に及ぶと、男根はまたぞろ漲りはじめ、亀頭を中心にいじられて、みるみるうちに硬い長尺物となった。

「さあ、しっぽりと交わりんしょう」

花魁は客の上、腹ばいのまま魔羅に手を伸ばし、秘所へと導いた。黒い海鼠(なまこ)の先端を緋色の鮑(あわ び)に押し当てると、ゆっくりと腰を沈めていった。九寸の業物が半分ほど呑み込まれたが、そこで霧橋は動きを止め、小刻みに尻を振ってい た。が、いったん怒張を抜く。黒いすりこぎの上半分が濡れ光っている。そして、挿入を再開すると、今度は長尺の三分の二ほどが女陰に埋没 した。

「さあ、よくしてあげいすよ」

言って、すかりすかりと腰を使いはじめる傾城。

「うわあ。あんな大きいもんが、けっこう入るものだねえ」

背中の娘の声に歓八は答えた。

「でも、さすがに全部は収まらないようだ。和物の鞘(さや)に異国の刀は、尺が余るんだろうよ」

やがて霧橋の姿勢は膝立ちから厠で用を足す格好へ変わり、尻が調子よく上下しはじめた。

「あ……、あ……。ううう〜〜〜ん」

艶っぽい声が漏れる。しかしこれは遊女の手練手管。目を閉じる霧橋の眉間にうっすらと縦皺が刻まれているが、 それは痛みからくるもののように歓八には見えた。あまりに長すぎる男根は、女によっては迷惑なものなのかもしれない。そして、黒い客人が 腰をせり上げ始めると、眉間の皺はいっそう深くなった。が、しばらくして異人が喘ぎ声を上げたところで、花魁はすりこぎの突きから解放さ れた。二度目の射精に至ったからだ。

 白いどろどろまみれの男根を霧橋は懐紙できれいにしてやり、自分の秘所も拭いていたが、中から溢れる精液は やはりおびただしいもののようだった。

 一戦交えたあと、花魁は布団の端に煙草盆を引き寄せ、煙管に火を付けた。自分でひとくち吸ってから客人に、

「一服おあがんなんし」

煙管を手渡す。男は胸いっぱいに煙を吸い、気持ちよさそうに吐き出した。


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