未亡人遅咲き淫花-4
へなへなと椅子からずり落ちそうになるのを抱え、
(手ごたえの女体!)
ずしりとくるが、柔らかい。背中の温もり、尻肉の感触。
(ああ……久美子……)
そして感動の口づけが濡れた唇に……。
「うう……」
彼女も片倉に抱きついてくる。昂奮を煽る香水の香り。
人目はないだろうがまだ明るい。敷地は広く、周りは木々に囲まれている。とはいえバルコニーを隔てる大きなガラス窓からは夏の陽が眩しく差し込んでいる。しかし唇を合わせたまま絨毯の上で重なるに至って流れに乗っていくしかなかった。
「ああ……恥ずかしい……」
Tシャツを捲ってあらわれた乳房。
(白く、美しい……)
網目の静脈が透けて見える。
「きれいだ……」
思わず洩らす言葉に、
「いや……」
ますます悶えをみせる。乳首を口に含むに及んで久美子はもう身を任せるモードに入り込んでいた。
「あうーん……」
スカートを外す。
「恥ずかしい……」
パンティは白。といっても局部のわずかな部分以外は透けている。繁みがはっきりと見える。こんなエロチックな下着もこの日のためか。
(これは……)
割れ目に沿って濡れている。浸みているという程度ではない。亀裂の色が薄っすら透けて見える。
(これは、すごい)
尻から手を差し入れて一気に下着を引き抜いた。
「きゃ!」
反射的に叫んだものの、難なく股間がぱっくり開いた。
陰毛はかなり濃く、裂け目を被うほどびっしりと広がり、会陰までつながっている。その中に淫靡な赤い秘口が妖液を湛えて襞肉をのぞかせている。ここだけは品位も何もない。欲望に熱せられ、ただひたすら肉欲の脂が滴り落ちるばかりである。
「いや……」
身をよじって股を閉じようとする。その動きのいじらしさ。たまらず股間に顔を埋めたとたん、久美子が跳ね起きて片倉は突き飛ばされた。
「何をするんです!」
「え?」
「変なこと、いやです」
陽光差し込む昼間である。突如、股をさらけ出していることに不意の恥じらいが起こったのか。
「奥さん、ずっと憧れていたんです」
「片倉さん……」
腰を抱えてふたたびデルタへ顔を寄せる。
「な、何をするつもりなの?」
「美しいあなたの花びらにキスしたいんです」
「花びらって……」
「あなたの秘密の部分です」
「そんな、いけません。花だなんて、そんなきれいなものではありません」
「きれいです。とてもきれいです」
「いいえ、ここはいつも汚れている所です。セックスをするのはかまいません。早く、してください」
「はい……」
股間に顔を近づける。
「だめですったら!」
這うように身をよじって逃げる。受け入れると言いながら生半可な力ではない。
(どうなっているんだ?)
「久美子さん!」
ややきつい調子で呼びかけて足首を掴んだ。久美子の動きが止まって驚いた顔をみせた。名を呼んだのは初めてのことだ。
「お願いだ。動かないで」
力が抜けて身を任せるのかと思って脚を開かせようとすると、またもや両脚を捩じって秘部を隠す。舐めるどころか結合もできない。
片倉は彼女にまたがって昂奮を抑えながら息をついた。
「わかった。わかりました。あなたが嫌がることはしません。どうしたらいいんでしょう?」
久美子は胸を上下させながら見上げた瞳を瞬かせた。
これだけ濡れていて、しかもセックスをしてくれと言っていながら頑なに脚は閉じたままだ。
「セックスをして、いいんですね?」
「はい……してください……」
「では、脚を開いて」
「脚は開きません」
「開かないでするんですか?」
「そうでしょう。そういうものじゃないですか」
(これは、おかしい……)
思いつつ、昂ぶってどうしようもない。
閉じていてもぬめりが溢れているから押し込めば先端は入るだろうが、根元まで納める充溢感には欠ける。だが挿れてしまえばたまらず応じてくるかもしれない。
片倉は体を前掲させてデルタから見える亀裂の上部に宛がった。
「あ、そこじゃありません。もう少し下……」
久美子がずり上がる。
「もっと下です」
「下?」
「そう、その辺りです。……してください……」
何を言っているのかわからず、何気なく一物を太ももに擦ると、
「ああ、そこ……」
閉じた太ももがわずかに開いてペニスが挟まった。
「ああ……片倉さん……」
(どういうことだ?)
両腿が締め付けられ、久美子は陶酔の顔で喘ぎ出した。