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少女剣客琴音
【歴史物 官能小説】

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松蔵稽古-4

黒田玄武殿

          諾

                 多田琴音

それを下人に持たせて飛脚宿まで行かせると琴音は松蔵に言った。
「もう私への邪念を捨てて、玄武に勝たせるためのことにのみに専心してください。
手足を触られても仕方ありません。それから父に後で言って離れに泊まって貰います。
正直別宿を用意するのは資金がかかります故。
それに稽古の時間も長く取りたいので」
松蔵は頷いた。松蔵は早速体を揉み解そうとしたが拒まれた。
「その前に湯に入って下さい。できれば髭も剃って頂きたい。女人の体に触れるのに何日も洗わない体では誰でも嫌がる筈」
「分かり申した。だが髭だけは勘弁して頂きたい。
もし琴音殿が見事黒田玄武を打ち負かしたならば、この髭を剃ろうと思う。
今から願掛けをしたいと……」
「それはご自由に。では兄弟子の後に私が湯に入ります故、その後でお願い致します」

琴音が湯から上がると下人に命じて遅く戻る監物の為に湯を入れ直すように言った。
松蔵は琴音の指先や手のひらを揉み解すことから始めた。
それから下腕、上腕と行って、肩や脇の下の筋を揉み始めた。
「兄弟子、そこは解す必要があるのか?」
「ここだけでなく、腰や足も解す。いったい琴音殿は今日の稽古で腕だけを使ったとお思いか。既に全身を使って刀を振るうように体ができあがっているのだ」
そう言われれば琴音も納得した。
そして師匠のときよりも緊張するが、体を揉み解されれば気持ちが良いことに変りはない。
むしろ師匠のときよりも気持ちが良いのは気のせいか。思わず声を漏らしそうになるのを必死に耐えたほど。
しかし揉む手が尻にかかった時、琴音は眠気を飛ばして言った。
「松蔵殿、女人のその場所は触れてはならぬところです」
だが松蔵は表情を変えずに言った。
「欲情を持って触ればそれは問題があろう。だがここは跳びはねるときに使う肉や筋がある。御免」
そう言うと今度は袴姿の琴音の片足を持ってぐいと股を開いた。
「な……何をなさるのだ」
「股間の筋を伸ばしているのでござる。特にこの腿の内筋は固くなっておる故」
というと、内股の筋に手を当ててグリグリと扱き始めた。
「あああ……何を致す。女の芯に近いところを」
「近いけれども芯には触っておらぬ」
そういうと別の足を同じように広げて筋を伸ばす。そして内股の筋を扱き始めた。
「止めぬか、止めよ。変な心持ちじゃ」
「もう終わりました。後は腿裏の筋を」
松蔵は腿の裏、今でいえばハムストリングの部分を丁寧に揉み始めた。
足の疲労が溜まりやすい場所であるが、琴音は先ほどの『変な気持ち』の延長上にあって、女の芯が潤う心地に悩まされた。
それだけでない、足の裏まで揉み解した後、これで終わりかと思っていると、今度は体全体を密着させて全身の骨や関節を伸ばし始めた。
ボキボキと骨が鳴る音を聞き、琴音は何が起こっているのかわからず震え上がった。
首や背骨や手足の関節をすべて捻り引っ張り緩めると、もう琴音は全身の骨を抜かれたようにぐったりとした。
「これで一晩お休みになれば、明日は新しい体になっている筈。これを繰り返せば期日に間に合うように体作りができまする。では、拙者も離れにて休ませて頂く。御免」
遅番の父の帰りを待たず、床に就いた琴音はその晩ぐっすりと寝たが明け方夢を見る。
無角老師が琴音の体を揉んでいるのだがだんだん内股を揉み始め、ついには女の芯に手を触れるのだ。
『師匠! なりませぬ。弟子にそんなことをなさっては』
『では、わしが婿になれば良いではないか』
『お年を考えてくださいませ。孫娘ほどの私を』
『なんの。秀吉候はひ孫ほどの娘にも手を出したと聞く。この程度は普通じゃ』
『嫌です。いくら師匠でも婿は御免です』
『では、私ならどうだ。琴音殿』
するといつの間にか松蔵が琴音の体を押さえつけて、女の芯に指先をつけているのだ。
『あっ、や……やめ……なにをなさいます。松蔵殿、おやめ下さい』
琴音は松蔵の手を打ち払って、体を起こした。
「無礼者」
気がつくと琴音は布団から上体を起こして、実際に声を出していた。
「夢か……」
そして何故か夢だと知って、少しがっかりした思いになった。
そのことに気がつくと、そういう自分に腹立たしくなって来た。
「はしたない。武士の娘があんな夢に心惑わされるとは」
そう言うと自分の頬を思い切りパチンと平手で打った。
これが相当痛く、涙が出て来た。
「い……痛くないぞ、全然」 
   


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