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LADY GUN
【推理 推理小説】

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抑えきれない想い-5

 1時になり作業終了の時間が来た。若菜がそのまま残っていた事は知っていた。作業中ずっと気になりチラチラ見ていたからだ。俊介は出来ればあまり話したくない気持ちを持ちながら道具を片付けると若菜のもとへ歩いた。
 「お疲れ様でした。」
立ち上がり笑顔を見せる。俊介にとっては眩しすぎたし、それに笑顔を浮かべられるまでに努力し復活…いや、成長した若菜が羨ましかった。
 「何か話す事、あるの…?」
汗を拭きながら言った。
 「私が話したい事は分かりますよね?」
勿論分かっている。分かっているがそれは話したくもない事だ。少し苛つくのが若菜にも分かった。
 「分からないけど…?」
とても視線は合わせていられない。溜め息をつきながら夜空に顔を向けて言った。
 「なら言います。俊介さんはいつまで逃げてるつもりですか?」
そこまでズバッと来るとは思わなかった。動揺以上に感情が高ぶる。
 「逃げるって何だよ!?」
 「だって逃げてるでしょう?」
 「逃げてない!」
 「逃げてる!」
2人の言い争いに他の作業中が見る。言い争いが気になったのもあるが、それ以上に感情の起伏を見せた俊介に驚いた為ついつい振り向いたのだ。作業員として働きに来てから俊介はずっと感情を見せる事がなかった。マネキンが言葉を喋るような感じと言うべきか。魂が抜けたような男とみんな揶揄していた。そんな俊介が言葉を荒げる姿に思わず視線を向けたと言う訳だった。
 「女の子の口からこんな事は言いたくないですけど、俊介さん…、あなたキンタマついてますか?」
 「な、何だと…?」
怒りが頂点に達したようだ。俊介の拳が握られた。


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