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マリアの猫
【ファンタジー 官能小説】

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マリアの猫-3

4.
 日が落ちると、時間を見計らって、手持ちのワインの中から、渋味の少ない口当たりの軽いものを選んで、マリアの家を訪れた。
 ドアをノックすると、エプロンを掛けたマリアが戸を開けた。
 中から、エビやイカやオリーブの混じった、好い匂いが流れてくる。
「好い匂いだね、マリア」
 他に客はいない様だ。
 キッチンに付いて行く。
 ストーブの上のパエリャ・なべから、湯気が漏れている。
「アト五分クライデ、デキルワ」

 僕はマリアから、栓抜きを受け取ると、ワインを抜いた。
 マリアがグラスを運んで来る。
「サルー」
「サルー」
「ところで、猫ちゃんしばらく見かけないけど、どうかしたの」
「今マデ、ソコニイタノヨ。スグ帰ッテクルデショウ」
 テーブルに用意してあったチーズと生ハムを肴に、一杯目のグラスを空けると、マリアがパエリャのなべを運んで来た。
「わーっ、 うまそう」
マリアが、手際よく、取り皿に盛り分ける。
 とりあえずは、イカやムール貝などの食べやすいものから取り掛かる。
 エビは何とかナイフとフォークで口に運んだが、カニはどうしようもない。手で掴んで、バリバリとやっていると、マリアがフィンガーボールとタオルを持ってくる。
 指先をしょぼしょぼと洗っていると、マリアが側に寄ってきて、手にしたタオルデで拭ってくれる。
「グラシアス(有り難う)」
「デ・ナーダ(ドウイタシマシテ)」
「美味シイワイン」
マリアが、脇から注いでくれる。
いつのまにか、いすを隣に移している。
 ボトルを支える手元・・・自然に胸元に目が行く。
 大きく開けた襟元から、真っ白な膨らみの奥まで覗ける。
「マリアもどうぞ」
マリアのグラスに、赤い液体を注いでやる。
 若い後家さんに夕食に誘われて、二人きりでワインを飲めばどんな事になるか、予想しないではなかった。 まあ、50%の期待をして、イソイソとやってきたのが本音だろう。
 ワインを注ぐマリアが、必要以上に擦り寄って、肩や腕が触れる。 胸元も、これ見よがしに目の前に突き出る。亀頭がむずむずしてきたのも、止むをえまい。
 頃合いを見計らって、マリアの肩に腕を回すと、アラッという仕種をして、凭れ掛かってきた。
 顔を向ければ、既に赤いぽっちゃりとした唇は、目の前。 合わせる唇の間から、パエリャの甘い香りが流れ込んでくる。
 差し込んでくるマリアの舌を迎えながら、乳房を手のひらに包み込む。
 腰に回した腕で尻を支え、舌をくるくると絡めながら、乳房をやわやわと揉む。
 マリアの体重が重くのしかかる。小柄な割りに、質感がある。
 乳房の手が、徐々に下がって小腹に達すると、むっちりとした感触に、男根がめきめきと色めき立つ。
 最早これまでと、マリアを抱えると、後ろのソファーに押し倒した。
「ノー・ノー」
マリアが初めて抵抗をする。
 強姦をする気もないので、体を起こすと、マリアは僕の体に腕を回したまま、こっちへ来て、と合図をする。
 その侭、もつれるように奥へ通ると、そこはベッドルームだ。
 ああそうかと合点をして、マリアの体を離すと、マリアは待ちかねたようにさっさと着ているものを脱ぎ出した。


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