投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

君を救いたいの最初へ 君を救いたい 42 君を救いたい 44 君を救いたいの最後へ

二人の罪-9

「いやー、今回の映画はイマイチやったなぁ」

両手を後頭部に置き、ゆっくりとした足取りでロビーへ出る楓サン。
その隣で肩を並べるも、明るい彼女とは正反対に暗く、首を下ろし、目線を先ほどから
床に落とす、しゅう。

「東映ブレンドに騙されたねぇ、やっぱこう言うのはしっかり自分の目で面白いか否かを
判断しなきゃ駄目だね…」

あからさまに、しゅうに話を振っているのダガ、先ほどから反応の無い彼に

「…ねぇ!聞いてんの!シュガー!」
「……えっ?あぁゴメン何?」

頬を膨らませムスッとし

「何よーさっきからー、上映前も私の話も聞かんとケータイばっかいじってー」
「…それはぁ」

「…ねぇ!この後たこ焼きでも食べない?」

話の切り替えは、彼女の特技のようで、目をキラキラさせ彼を誘うも
返ってくる返事は

「でも、もぅ暗くなるよ…そろそろ帰らないと」

と言ってもまだ時計の太い針が4を指しており、普段なら暗くなってもお構いなく
ゲームセンターやショッピングを楽しむのダガ。

楓サンも、彼の言う事の意味を察したか、怒り肩で急に出口の方へ足をツカツカさせ

「ちょ、どこ行くの?」
「何って、帰るのよ!…自分でそう言ったジャン!」

彼女の突然の行動に、慌てた彼は、彼女を引きとめようと腕を伸ばすも

「ついて来ないでぇ!、私一人で帰るからぁ!」

楓サンに怒鳴られ、動きをピタッと止まり、そのまま困惑する彼を残し映画館を後にする

「…楓」

「何よっ!あーあ、あったまくるわぁっ!」





君を救いたいの最初へ 君を救いたい 42 君を救いたい 44 君を救いたいの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前