二人の罪-11
「はぁー」
しゅうはもう、私に振り向く事は、無い。
ふいに、彼が昨日私に言った言葉を思い返す…
「……応援、してるから。」
私とは付き合え無いケド、これからも…って
そんなの、嬉しく訳無いでしょっ!
力無く肩を下ろし、とぼとぼと学校の門へ足を運ぶ。すると
「あ…」
私の想い人が、部室の方へ向かって行く光景を目にする。
「…しゅう。」
思わず彼の元へ駆け寄ろうとするも、途中でその動きを止める
何してんだろう、私。
諦め、再び門に視線を移したその時。
「おっ、すまんっ!」
「あっ」
担任の先生と軽く肩がぶつかる。何やら慌てた様子でそのまま走り去って行く。
「何?」
首を傾げ、何となく先生の背中を追う。するとその方向は。
「えっ?」
そこは先ほど、しゅうが部室に向かう為に曲がった道、そこに先生は迷い無く向かい
何だか妙な胸騒ぎがして来て、私も先生の後を追う事に。
「なんですってっ!」
部室から耳にする、しゅうの声。私は何があったのか壁に耳を当て、盗聴しようとすると
バターンッ!
「!!」
ドアを乱暴に開ける音がし、振り向くや否や、中途半端な制服姿のしゅうが飛び出し
勢い良く、その場を走り去り、私は先生に聞く事も出来たのだが、そんな事を考える
余裕も無く、真っ先に青ざめた彼の元へ着いていき。
「そんなっ!…こんな事って。」