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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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-3


「希望。起きて。俺会社に行くけど。希望はどうする?」

次の日、まだ気だるい疲れが残る中
ほほにキスをされて目が覚めた。
今日は土曜日か・・・・

「まだ寝てても良いけど?」
そんな風に私を甘やかす相手は
昨日、エッチの最中に好きだと自覚した人。

「帰る」

それでも、まだまだ考えなきゃいけないことは
何かあるような気がして。

27歳の私は、本能のまま恋愛につき進むには年を取ったのかもしれない。

「帰ったら電話かメールして」

そう言いながら駅でぎゅっと手を握ってから
私を電車の中に送りだした。

好きなんだけど。
好きなんだけど。
考えなきゃいけない。

山田さんは私に、社内のあらゆる権限を使っても手に入れる「価値」があると言った。

その価値って・・・・?

私が家に帰って考えて考えて出した結論は、
山田さんは何かの拍子に私が新田常務の娘だと知った。
常務の娘と結婚すれば社内の派閥争いにも勝算が高い。

そんな打算的なことが理由なのかな。と思った。

だから。
だから社内恋愛はする気がなかった。

相手は私本人より
私のバックボーンの父を見て結婚を考える。

そんな予感が的中したのかもしれない。
寂しいけどこれが事実なのかもしれない。

だから。
だから入社のときに父に頼みこんで親子関係は極秘にしてもらったのに。

経営管理はそんなに偉い部署なの?
人事の社員だって見れないはずの情報をなんで経営管理が知ってるの?

私は考えがまとまっているようでまとまっていなかった。
心のどこかで山田さんはそんなにひどい人じゃない。と
思いたかったのかもしれない。





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