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LADY GUN
【推理 推理小説】

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LADY GUNを手にする日-9

 全国から集まった敏腕警察官に上原若菜の名前が知れ渡った。やがてそれぞれが各所属の署に戻り名前を広める事によって上原若菜という名前は全国の警察に響き渡る事になる。
 授賞式が終わり競技大会が終了すると若菜の周りにたくさんの警察官が集まる。
 「こんな細い体のどこにあんな力があるんだい??」
 「厳しい練習のおかげですよ♪」
にこやかに答える若菜。
 「僕は第一回大会にも出てて皆川静香さんの事も知ってるけど、上原さんの方が優れてるように思うよ。でも皆川さんの競技中の顔つきと上原さんの顔つき、似てたよ。鬼気迫るものがあったよ。」
 「本当ですか?ありがとうございます!嬉しいです。」
 「しっかし美人だよね!」
 「そうですか〜??まだまだ女子力足りないんでこれからです♪」
気さくに対応する若菜は大人気だった。健闘を称え合い、そして会場を後にした。
 一泊し、電車に乗り中央署へ戻る若菜。加藤綾美の捜査で静香とこの電車に乗った思い出にも浸った。
 駅に着きタクシーで中央署に戻った若菜。優勝したと言うのが照れ臭くて一泊し昼頃帰る予定は報告していたが、大会後に一度も連絡はしていなかった。若菜は署の中へと入った。すると署内にアナウンスが響いた。島田の声だ。
 「全署員に告ぎます。只今、全国警察官技能検定競技大会で優勝した上原若菜が戻って参りました。熱烈な歓迎をするよう、よろしくお願いします!」
いきなりのアナウンスに驚く。
 (な、何を言ってるのよ署長は!?)
恥ずかしくて仕方なかった。すると普通に仕事をしていた受付の署員がいきなり立ち上がりクラッカーを鳴らす。
 「上原さん、おめでとう!!」
 「いっ!?」
キョトンとする若菜。すると次々と立ち上がりたくさんのクラッカーが鳴った。
 「な、何なの…!?」
どこからともなく全署員が集まってきた。そして石山が現れた。
 「ほら、胴上げだ!!」
 「えっ…?」
若菜はあっという間に取り囲まれ、気付くと胴上げされていた。
 「や、やだぁ!イヤァ!!」
宙に浮く若菜。完全に混乱する。
 「凄いぞ上原!!俺は嬉しいぞ!」
石山が笑いながら泣いていた。そして胴上げしている中に一般人も混ざっている事に気付く。すると何だか喜びが込み上げてきた。
 「キャハハ!日本一、穫ったどぉぉっっ!!」
万歳して胴上げを喜んだ。こんなに自分を心配してくれている仲間がいる事が嬉しくて仕方ない。何時に帰るかも分からないのにずっとスタンバイしてくれていた事が申し訳なく感じながらも嬉しかった。若菜は石山と同じく笑いながら涙を流した。
 胴上げが終わると拍手が湧き上がる。
 「ありがとうございます…。これからも宜しくお願いします…。」
感動し涙を流す若菜。しかし一番涙を流していたのはやはり石山だった。


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