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戸惑い
【幼馴染 官能小説】

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振り向けばあなたがいた-6

そしてシルバーの台にピンクの石のそれをあたしの両耳につけた。
あたしは手鏡を覗き込む。

「かわいいピアス・・・」
「お前は青とか緑とか多いからたまにはピンクもいいだろ。お前も一応女だしな」
「ありがと・・・似合う?」

手鏡から顔を離して成の方に顔を向けて聞いてみる。
ちょっとからかうぐらいの気持ちで。
まぁ成があたしのこと「可愛い」とか言うことなんてないって分かってはいるけど。

「おう、可愛い。似合ってるよ」

・・・えっ。

「あ、ありがと」
「自分で聞いといてなに照れてんだよ、ばーか」
「・・・だって・・・成がそんなこと言うなんて・・・」
「俺はお前のこと好きなんだ。好きな女のこと可愛いと思って何が悪い」

う・・・恥ずかしい。
・・・あんたってそんなにストレートだったのね・・・。
いや、俺様的な性格は前からだけどさ。
こんなに感情を口に出すやつじゃなかった。「好き」がこんなにやつを変えたんだろうか。

「ほら、もう寝ろ」

あたしの頭を撫でながら優しい声音で成が言った。

「うん・・・」

そう言ってあたしは成の腕の中で目を閉じる。
こんなに優しい声を、あたしは聞いたことがない。
あんなに口が悪い、多少粗暴な物言いの成がこんなに柔らかい声をだす。
あたしの知らない面が、こんなにもまだたくさんある。
近くにいた。
あたしたちは今までもこんなに近くに居たのに。
でもその「近く」は物理的な距離だったのかもしれない。
もっと知りたい。
もっともっと近づきたい。
この腕にもっと抱かれていたい・・・。
いいかな。
あたし、元彼にふられたばっかりだけど。
今は成の腕に抱かれてていいかな。
・・・成は自分のこと「卑怯」って言ったけどあたしも・・・

「成・・・」
「んー?」
「いいの?」
「なにがだよ」
「・・・んーん、なんでもない」
「・・・そりゃ菜月も俺のこと好きになってくれたらそれが一番いいけど。お前が彼氏と別れて、体調が悪い時につけこんでる俺も卑怯だしな」
「成・・・」

言おう。

「成、あたしね。ほんとはまだ元彼のこと引きずってるの」
「おう」
「デートのドタキャンなんて日常茶飯事だったし浮気なんて何回もされた上にふられたけど、それでも
まだ好きなの」
「おう」

成の腕に力がこもった。
聞きたくないのだろう。
でももうちょっと・・・


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