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戸惑い
【幼馴染 官能小説】

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いつまでも君の傍で-1

「菜月が!?」
「うん・・・あたしも未だに信じられへんのよ」

土曜の午後。
大学が終わった後、俺、宮崎成(せい)と中原鈴(すず)は某カフェにいた。
普段、鈴とは学校帰りにお茶するなんて洒落たことをするほど仲がいいわけじゃない。
その鈴にお茶を誘われて今俺はここにいる。
話題は児島菜月という女の子のこと。
その菜月とこの鈴、大学に入学してからの付き合いなのにも関わらず今では無二の親友のようだ。

「だから今日休んだのか・・・」
「きっと今頃家で塞ぎこんでると思うねん。連れ出してあげてや」
「なんで俺にそんなこと?」

そう聞くと鈴はフッと目を細めた。

「・・・それは成君が一番良く分かってるんとちゃう?」

鈴にそう言われて一瞬たじろぐ。
う・・・バレてら。
なんて鋭い女。
そう、俺には想い人がいる。
それが児島菜月。

「じゃあ、あたしはこれで。任せたよ」
「おう、気をつけてな」
「どーも」

そう言い残して鈴は店を出ていった。
その鈴の後ろ姿を見ながら俺は考えていた。
・・・彼氏と別れたというのは本当なのだろうか。
菜月がその彼氏と付き合いだしたのは3年前。
当時も俺は菜月を想っていて、それでもこの関係が壊れるのが怖くて言い出せなかった俺自身を随分呪った。
小さい身長に栗色のふわふわした長い髪。
人形みたいな容姿にも関わらず、性格は男勝りでサバサバしてる姉御肌。
ってゆーか、むしろ俺は小さい頃から尻に敷かれてきた。
なんでこんなやつを好きになったかは分からない。
けれどこの想いに気付いたのは菜月に初めて彼氏が出来た、3年前だった。

もう後悔したくない・・・。
そう思った。
今が変えるチャンスかもしれない。
そう思った。
彼氏と別れた弱みにつけこむとか、そんなことどうでもいい。
今がチャンスなんだ。

明日、電話でもしてみようか。
あいつを連れ出して買い物でも行こうか。
それは、俺がいつまでもあいつの傍に居るための第一歩。

《了》


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