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クラスメイトはスナイパー
【コメディ その他小説】

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スナイパー〜二匹の小鳥〜-11


「おい斉藤、いい加減何があったか話したらどうだ?こんな時に黙秘権を使われてしまったら、流石の僕もどうすれば良いのか分からないぞ」
わざとらしく腕を組んだ桜子は、いかにも困ってますといったふうな表情で、椅子に座り考えこむ三五を見下ろした。

「ふむ、山南……可奈子の容体はどうだ」
返答のない三五のいつもと違う態度にペースを崩された桜子は、部室の長机に寝かされた可奈子の看病をしている山南に容体を尋ねた。

そう、三五は気を失った可奈子を部室に背負って連れてきていたのだった。

……と、ここで、まひるが桜子の制服の袖を引っ張った。

「首領、もしかして三五先輩、私達が痛い人って言ったの怒ってるんじゃ……」
「ふむ、なるほどな。さすがはまひる、頭がいい」
桜子は笑顔でまひるの頭を撫でた。そして続き様に三五に目をやると、丸めた教科書をビシっと突き付けた。

「斉藤、ズバリ……ズバリ問うぞ。君が今、今世紀最大の事件に発展しそうな程に珍しい『考え事』と言う実にホモサピエンスらしい行為をしているのは、僕たちが言った『痛い人』という言葉のせい……か?」

その瞬間、三五が急に立ち上がった。

「なっ、何だ。何か電波を受信したのか?それとも悟りを拓いたか?」
二、三歩、後ろにおののいた後、立ち上がった三五を不気味に思いながら桜子は凝視した。

「そうだ、捕まえればいいんだ……。僕の手で……そうすれば烏丸も……」

「烏丸……?」

不意に三五は桜子の両手を握りしめた。そして浮かんだ案に心を踊らせながら声を発した。

「桜子……いや、皆。力を貸してくれ」
手を握られた桜子の頬が淡い桃色に染まる。桜子は握られた手を、きょとんとした目で見つめながら小さく声を漏らした。

「まっ……まぁ、僕に出来る範囲でなら……。それで……何をすればいい」

三五は一度息を吐いた後、もう一度深く呼吸した。
そして僅かな笑顔を含んだ声でこう言った。

「吸血鬼退治……だよ」


(続く)


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