〈哀肉獣・喜多川景子〉-16
『ふぅん……メイクが取れたら印象が違ったわね?みすぼらしくて、お尻の穴みたいな顔だわねえ?』
力強い目力を印象付けるマスカラやアイラインが取れた目は、凛々しさよりも幼さを感じさせた。
少しだけ気が強そうな印象を与えるそれは、威圧感でいえば優愛と殆ど同じ印象しか無い。
冷たさすら感じさせた美貌とは、あまりにもかけ離れた“素顔”だ。
「ぶはぁッ!!……私の顔をッ!!……ひぐッ…この私の顔を汚い……つ、唾で汚しやがってぇ!!」
女の命である髪を手綱も同然にし、顔までも舐め回して汚したタムルを睨み据えても、もう先程までの威圧感は薄れてしまっていた。
鋭かった瞳は麻里子に劣り、罵る叫び声も、異常者の病的な責めに震えてしまっている。
そんな景子を更に追い詰めるべく、タムルは尻尾のようなビニールパイプを手に取り、至近距離で顔を突き合わせた。
「もう何なんだよテメェはあ!!……ぐぎッ…しつこいんだよぉッ!!」
景子の眼前でタムルはニヤニヤと笑い、ベロリと舌を伸ばしてパイプを舐めると、その舌先を滑らせてパイプを口の中に運び、パクンと銜えた。
戯けたように目を丸く開き、顰めた泣き顔となった景子を見つめると、その頬はプクンと膨れ上がった。
「ふがッ!?い"…や"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」
ようやく、景子はこの恥辱の尻尾の用途を理解した……このパイプを射し込まれた肛門は、外気と通じてソレを塞ぐ事は出来ない……タムルの吐息が直腸を膨らませると、その未知の感覚に嫌悪感は爆発した……。
『ねえ?「美穂さんのコトをこれ以上言ったら……」って、その先は何なの?早く私に見せて欲しいわあ?』
「ふぎ…ぎ……ッ!!」
タムルがパイプの先端を景子の鼻先に突き出すと、腹圧に圧された空気がシューという音と共に漏れた。
その空気の放つ強烈な悪臭は、景子の直腸の中の臭いである事は疑いようがない。
憤怒と快感に歪む顔を背け、景子はまたも横目で睨む。
その追い詰められた瞳には、いよいよ本領を発揮し始めた異常者の笑顔が映っていた。
「こ…この……クソオヤジ……!!」
睨み付ける目尻はピクピクと痙攣し、両脚はガクガクと震えて落ち着きを無くしていた。
飽きる事を知らない玩具に乳首と秘豆をいたぶられ、自力で立つのがやっとの状態なようだ。
タムルは部下に目配せし、一生瓶ほどの太さの丸底のガラス容器を受けとると、その底にある凸部分に、パイプを射し込んだ。
『もう腰が抜けそう……そうでしょう?』
タムルはガラス容器を震える太股の間に差し出すと、金属のパンティーの前みごろを掴んでグイッと持ち上げた。